史上初の九州対決となった決勝戦は、サガン鳥栖(佐賀)がソレッソ熊本(熊本)とのPK戦を3―2で制して全国7877チームの頂点に立った。0―0で前後半を終了。
サガン鳥栖の最後のキッカー・古賀睦基(6年)がゴールネットを揺らした瞬間、荒木亮次監督は走り出していた。「アカデミーすべてのカテゴリーでタイトルを取ることができました。やっと歴史を変えることができました」
今年で16回目の出場。これまでは昨年の3位が最高だったが、指揮官には自信があった。「私が監督に就任したのは2年前。昨年は3位。今春のチビリンピックでも決勝戦(柏レイソルにPK戦で敗れ2位)に行くことができた。手応えはありました」と振り返った。戦術面では今大会7得点のエース、網代時生(6年)を初戦から最終ラインの真ん中に据えたことが当たった。
5年生GK秋吉もPKを1本止めてヒーローになった。6年生にGKがいなかったという理由での大抜擢(ばってき)。来年の目標は「できれば身長が160センチ(現在は154センチ)ぐらいになりたい」。そのため大好きなカレーライスを3杯も食べることもあり、体格アップに努めている。(今関 達巳)
◆大会表彰
▽フェアプレー賞 サガン鳥栖
▽YKK努力賞 ソレッソ熊本
▽特別賞 サガン鳥栖
▽MIT ソレッソ熊本
▽得点王 福田海士(ソレッソ熊本)、東海林貫大(FCトリアネーロ町田)10得点
▽ゴールデングローブ&ブーツ賞 満永心粋(こいき、ソレッソ熊本)
北澤豪(スポーツ報知評論家)「今大会は10番のポジションの置き方に特徴があった。これまではトップ下というイメージがあったが、ちょっと下がった位置から状況を見ながら、前向きで、ボールを受けながら出ていく。例えばサガン鳥栖の網代君は3バックの真ん中に入っていた。普通は両サイドが上がるが、網代君は真ん中から積極的に上がっていった。これは8人制サッカーの新たな仕組みで、今大会もレベルが高くなったという印象を受けた」
ソレッソ熊本 PK戦での敗戦にも広川靖二監督は「今年になって20回以上も対戦してますけど、今日は思ったより難しい試合になりました。あの圧力は他のチームには感じられなかった」と脱帽した。広川監督はこの大会で勇退し、来年からはチーム運営に専念する。

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