ロックバンド・BUCK∞TICKが29日、東京・日本武道館で年末恒例の単独ライブ「ナイショの薔薇の下」を行った。

 1987年のメジャーデビュー以来5人で活動してきたが、2023年10月に脳幹出血で死去した絶対的ボーカル・櫻井敦司さん(享年57)を失った。

今回は4人体制で初めて制作したアルバム「スブロサ SUBROSA」を引っさげたライブツアー(全37公演)のフィナーレ。ボーカルとギターを兼任する今井寿は「今夜も一緒に楽しもう! 盛り上がろう! 騒ごうぜ」と呼びかけた。

 同アルバムに収録した「雷神 風神―レゾナンス」や「スブロサ SUBROSA」などに加え、「Baby,I want you.」「スピード」など往年の人気曲も織り交ぜ全20曲を披露。ヒップホップを大胆に取り入れた10月リリースの最新曲「渋谷ハリアッパ!」では、法被姿の今井が「さあ始めよう、新しいロックンロール!」と観客1万人を先導した。

 今井が「武道館ベイビー!」とステージを所狭しと歩き回れば、ボーカル・ギターの星野英彦も観客とともに腰を振って歌うなど呼応。「来年もいい年にしましょう」と投げキッスして盛り上げた。ドラムのヤガミ・トールとともにリズムを支えたベース・樋口豊は「去年の武道館から1年間、全国にたくさん行ってパワーをもらいました」と感慨深げに語った。

 今井がファンに向けて「自分の道をまっしぐらに突き進んでください」とピースサインを掲げると、ファンは声をそろえて「ピース!」と反応。ステージと客席の固い結束は、新時代のBUCK∞TICKを象徴していた。(堀北 禎仁)

 〇…終演直後には、星野が還暦を迎える来年6月16日のワンマンライブ(東京・SGCホール有明)と、ファンクラブ「FISH TANK」メンバー限定のツアー開催をスクリーン映像で表示。さらに、新作のレコーディング開始と来年末の日本武道館公演開催が発表され、ファンから大歓声が上がった。

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