◆全国高校ラグビー第3日 ▽2回戦 東海大大阪仰星7―6佐賀工(30日・花園)

 2回戦16試合が行われ、前回準優勝で、25度目の出場にして初のノーシードとなった東海大大阪仰星が、佐賀工に7―6で勝利した。後半28分まで0―6とリードを許したが、終了間際に1トライ1ゴールでひっくり返した。

2大会ぶり出場の京都成章は、倉敷(岡山)を46―10で破って16強。3回戦は来年1月1日に行われる。

 ノーサイドまで、残り5分を切っていた。6点を追う東海大大阪仰星は反則を得ると、湯浅大智監督(44)の指示のもとタップキックで攻めた。粘りの守備を見せる佐賀工を、波状攻撃で押し込む。じわじわとトライゾーンに近づき、残り2分で中央ラックからPR朝倉久喜(ひさのぶ)がトライゾーンに飛び込んだ。この日両チーム通じての初トライで、キックも沈めて逆転。土壇場で勝負強さを見せた背番号1は「部員全員、応援してくれる人たちの気持ちも背負ったトライ。めちゃくちゃうれしかった」と胸を張った。

 今年のクラブの目標は「一歩一歩、少しずつでも」と意味を込めた「歩む」。あいさつ、ゴミ拾いなど「目配り・気配り・心配り」を合言葉に1年間を積み重ねてきた。反則、ミスが大きな命取りになる最後の攻防も「全員迷いなく、勝ち切ろう、やり切ろうという気持ちだけだった」(朝倉)と、敗北の2文字は頭になかった。

 これで過去7校しか成し得ていない花園通算70勝に到達した。前回大会の準優勝校だが、今大会はノーシード。NO8塩谷優太が「僕たちは僕たちの強みがある。去年よりサイズは劣ってしまうが、丁寧にやる部分はやり通してきた」と話すように、1年前のチームとは違った強みで、逆にシード校を撃破した。

 前半から苦しい流れもあった中、6人の入替を駆使し、湯浅監督も「やり切った」と充実感を漂わせた。「速さより強さ」をテーマにした一戦で、モールで主導権を握り、指揮官は「相手の嫌がることをやろうと話していた。自信になったのではないか」と内容にもうなずいた。1月1日の3回戦は大分東明との一戦。史上初となるノーシードからの頂点に向け、一歩ずつ歩みを進める。(森口 登生)

 ◆東海大大阪仰星の花園シード落ち 25度目出場の今冬が初。現チームは2月の近畿大会(神戸ユニバー)で京都成章に1回戦敗退。3月の全国選抜大会(優勝・桐蔭学園、準優勝・京都成章、4強が御所実、東福岡)への出場権を逃したことが痛手となった。

また記念大会で総数も13校から8校に絞られたことも影響した。

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