「第67回輝く! 日本レコード大賞」(日本作曲家協会主催)の授賞式が30日、東京・初台の新国立劇場で行われ、3人組バンドの「Mrs.GREEN APPLE」が「ダーリン」で大賞を受賞した。3連覇は15年ぶりで、バンドとしては初の快挙となる。

 日本の音楽史がまた一つ書き換えられた。過去にレコ大3連覇を果たしているのは、浜崎あゆみ(2001~03年)とEXILE(08~10年)の2組だけ。年内での「フェーズ2」の完結を控えた3人に、また新たな勲章が加わった。

 「ダーリン」はボーカル・ギターの大森元貴(29)が若い世代のために書き下ろした壮大なバラード曲。青春の孤独や不安、焦燥、自分らしさとは何であるか―。誰もが抱える葛藤を描きながら、他者と支え合うことで希望を探していく姿を詞とメロディーに落とし込む大森の非凡なソングライティング力が発揮され、聴く人の胸を打ち続けた。

 「ダーリン」は今月19日に発表された「オリコン年間ストリーミングランキング」の2025年度配信楽曲で1位を獲得。期間内の再生数は2億5821万9000回を記録した。この日の歌唱でも、視聴者に寄り添うような歌唱を届けた。

 メジャーデビュー10周年の今年、ミセスの3人は次々と規格外の挑戦を続けた。7月には神奈川・山下ふ頭で10万人を動員するアニバーサリーライブを行い、ベストアルバム「10」はミリオンセールスを記録。全楽曲の国内累計ストリーミング数は史上初の110億回を突破し、国内のチャートを席巻した。

自身最多の55万人を動員する5大ドームツアーも行い、国民的バンドとしての人気を証明してみせた。

 10月には年内での「フェーズ2」完結を宣言。元日からは「フェーズ3」が始動し、さらなる展開を予感させている。変わることを恐れず、それでも自分たちの軸を見失うことはない。その積み重ねこそが、前人未到の3連覇を呼び込んだ。

 「フェーズ2」完結まであと1日。大みそかのNHK紅白歌合戦の大トリ歌唱をもって、グランドフィナーレを飾る。レコード大賞67回の歴史で誰もなしえなかったバンド3連覇を携えて、「フェーズ2」の締めくくりを彩るつもりだ。

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