サッカー日本代表の森保一監督(57)が、31日までに取材に応じ、8大会連続出場となる6月開幕の北中米W杯(米国、メキシコ、カナダ)の目標としてシンプルに「勝つ」と掲げた。昨年末に決勝戦(7月19日)会場のメットライフ・スタジアム(ニュージャージー州)を訪れ、最高の景色を目に焼き付けた。

第2次政権でのチーム力の進化に大きな手応えを明かし、自信を持って、最善の準備をして本大会に臨む。(取材・構成=岩原 正幸)

 2025年の目標に、森保監督は「進化」の「進」を掲げた。言葉通りに、3月、3試合を残し史上最速でW杯本大会の出場権を獲得するなど、アジア最終予選では10試合で30得点3失点と圧倒的な強さで突破を決めた。

 「選手も経験値が上がってレベルアップしてくれている。戦術的なところも幅広く伝わり、進化、進歩している。26年の漢字ですか?(笑) 『勝』かな。W杯の年なので勝つことが大切。そこにこだわりたい。目の前の勝利と、日本サッカーの発展のために未来へつなぐという信念で26年もやっていきたい」

 昨年9月以降は米国遠征を経験。秋は強豪ブラジルから初勝利を挙げるなど、アジアからW杯仕様の相手に変わっても、チーム力の高さを示し「選手がアジャストしてくれた」と手応えを示す。コーチで経験した18年ロシア大会、初指揮となった22年カタール大会を経て、森保監督にとってのW杯の舞台とは。

 「世界最高峰。

夢と誇りをかけて、国を背負って戦う場ですね。国歌を歌う時の感覚とか、この舞台でやれて幸せだなと。(22年クロアチア戦での)負けた経験は大きい。もっと先に行けると思っていた中、戦い方次第では試合をものにできたという思いがあった」

 先月の抽選会の結果、1次リーグではオランダ、チュニジア、欧州プレーオフ勝者との対戦が決定した。初戦に関して「大事だが全てではない」と言った。

 「グループリーグも3位(12チームのうち上位8チーム)まで上がる。結果にブレず、その先プラス(決勝戦まで)5試合を考えて目の前の一戦でできることをやっていきたい。勝つことを目指し、最善の準備をするというのは常に同じで、気持ちは変わらない」

 地力が大事になるのかと聞かれると、こう答えた。

 「自分たちが強かったら、自然と結果が付いてくる。我々が主体というところかなと。力を付ければ、目標が(向こうから)近づいてきてくれる」

 決勝の地、ニューヨーク・ニュージャージーの会場を訪れ、日本代表が7月にピッチに立つイメージを高めてきた。

 「決勝の舞台を見たいと思い行った。

イメージ(を持つことが目的)ですね。アメフト仕様だったが(苦笑)。トロフィーはそこにあるもんだ、とか。まずはそこでプレーする、ここに行きたいという気持ちだった」

 日本は2大会連続で16強。過去4度、8強の壁に阻まれる中、欧州トップのリーグでプレーする選手が多くなった今、目標は「優勝」で統一されている。

 「日本サッカーが2050年までに優勝するという目標(2005年宣言)の中で、50年は本命優勝だと。今はダークホースで優勝を狙いにいく形。その時間軸の中で、今よりも力を付けて未来につなげたい」

 決勝までの8戦を考慮し、ターンオーバー(試合ごとの大幅入れ替え)を見据える中、1期目と今回の2期目での選手たちの内面の成長も実感してきた。

 「メンタル、フィジカル的にもフレッシュなところを生かしていければ、ターンオーバーでうまく戦って勝つ確率が上がるかなと今は思っている。短期間、短時間でお互いを生かし合える、日本人のつながる能力は世界トップクラスだと思う。(普段の活動からローテーションする場合でも)自己犠牲の精神で自分(の感情)を抑えてくれている選手たちが2期目の方が多くいるなと。(他国では)常連組が使ったり使われなかったりしたら、メンタル的に持たないチームが多いと思う。

チームのため、日本のサッカーのためを考えてやってくれている」

 特にDFラインでけが人が多く出た影響で、チームを固める時期は直前になりそうだ。

 「日本は経験値を広げながら、最強、最高(のチーム)をつくっていった方がいいという感覚。最後はギュッと固めていく。その形でやれるのは日本だけかもしれない」

 6月11日の開幕へ。カウントダウンは始まった。

 〇…W杯イヤーとなる26年の日本代表活動は、3月の欧州遠征からスタートとなる。「サッカーの聖地」と称されるウェンブリー競技場で強豪イングランドと対戦することが決まっており、もう1試合も欧州勢との対決となる見通し。6月のW杯開幕に向けた26人のメンバー発表は、5月31日に東京・国立競技場で開催の壮行試合に前後して行われる。W杯後の初陣は9月で、12日間で4試合の親善試合を国内各地で実施する。

 ◆オランダ 欧州予選は6勝2分け0敗、27得点4失点で危なげなく突破。クーマン監督(62)の指揮のもと、主将DFファンダイク(34)、MFデヨング(28)、フラフェンベルク(23)、FWハクポ(26)、デパイ(31)ら各ポジションにスター選手がそろう。W杯は過去3度の準優勝で今大会では初優勝を目指す。

 ◆チュニジア 「カルタゴのワシ」の愛称を持つ北アフリカの雄で、今回のアフリカ予選では、9勝1分け、22得点で無失点と堅守を誇る。25年2月から12年ぶりの再登板でチームを率いるトラベルシ監督(57)のもと、高い組織力が大きな武器だ。MFメジブリ(22)ら若手が台頭し、G大阪所属のFWジェバリ(34)もW杯メンバー入りの可能性を残している。過去6度の大会はいずれも1次リーグで敗退。

 ◆欧州予選プレーオフ(PO)B組 FIFAランク43位スウェーデン、同28位ウクライナ、同31位ポーランド、同63位アルバニア)の勝者との対戦。欧州POは現地時間の3月26日にウクライナ―スウェーデン、ポーランド―アルバニアで準決勝が行われ、3月31日に決勝が開催される。

編集部おすすめ