スイス南部クランモンタナのバーで発生した爆発火災で、スイス当局は2日、約40人が死亡、115人以上が負傷したと明らかにした。多くは重傷という。

地元メディアによると、犠牲者の多くは若者で遺体の損傷が激しく身元の特定が難航しており、全容解明には数日を要する見通しだ。地元自治体は異常な乾燥を理由に「花火の使用」を禁止していたさなかの大惨事だった。

 ヴァレー州警察の広報官は2日の会見で、犠牲者の多くが激しい炎による損傷を受けており、「視覚的な確認は不可能」と述べた。現在、歯型やDNA鑑定を用いた身元確認作業が急ピッチで進められている。被害者はスイス人のほか、イタリア人、フランス人、ドイツ人など多国籍にわたるとみられる。イタリアのタヤーニ外相は安否確認のため、領事館員を現地に派遣したと発表した。

 スイス国営放送によると、捜査当局は、火災が瞬時に爆発的に拡大する「フラッシュオーバー」現象が起きたと断定した。事故当時、クランモンタナ周辺は記録的な少雪と乾燥に見舞われており、自治体は屋外での花火使用を厳禁としていた。しかし、バー店内では新年を祝う演出として、シャンパンボトルに取り付けられた演出用の花火が使用され、これが乾燥しきっていた木製の内装(天井の装飾)に引火した可能性がある。

 スイスのパルムラン大統領は2日朝、現場を視察した。焼け落ちた建物を前に大統領は「祝祭の場がこれほどの悪夢に変わるとは、言葉が見つからない。国全体が喪に服す時だ」と沈痛な面持ちで語り、生存者や遺族への支援を約束した。

捜査当局は、バーの経営者やイベント主催者に対し、安全管理義務違反や過失致死の疑いで事情聴取を行っている。

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