King&Princeが25年の大みそかに、3年ぶりにNHK紅白歌合戦に出場した。永瀬廉、髙橋海人の2人体制となり初の紅白でのパフォーマンスや、2人の姿勢から取材記者として得た学びを振り返る。

 STARTO ENTERTAINMENT所属アーティストの出場が3年ぶりに復活した25年の紅白。近年の事務所の問題や同局のスタンスなどを鑑みると、一般の視聴者だけでなく、ファンにとっても推しているグループが紅白に出場することは、必ずしも手放しに喜べることでないのかもしれない。読み手がどんな感情を持ちながら関連記事を読むのか、事務所の担当記者としては内容や見出しの取り方に迷いが生じることもあった。

 キンプリの出場が決まった直後の11月16日、千葉県内で行われた花火大会で、永瀬と髙橋の取材対応があった。報道陣から紅白出場への思いを問われると、2人は間髪入れずに声をそろえて「うれしいよね!」「自分たちが成長した姿とハッピーなパワーを全力でぶつけたい」と清々(すがすが)しく言い切る姿が印象に残った。その言葉の力強さに、キンプリだけでなく覚悟を持って年末の舞台に立つアーティストたちの姿を、ストレートに受け止め、そのステージに見合った原稿になるように努めればいいと思えた。

 その後、紅白を間近に控えた12月20日、新アルバム「STARRING」取材会のため2人は再び報道陣の前に。同作は、時には寝る間も惜しんで2人で約1年かけて完成にこぎ着けた意欲作で「並大抵のことじゃなかった。キンプリの最高点を更新したくて本当に身を削り、1日24時間じゃ足りないと感じた1年だった」と細部までのこだわりを熱弁。収録曲「Theater」はSNS総生成回数1億回を突破するなど“大バズリ中”で、グループのファン以外にも広がっている。

 妥協せずに真心を込めて作ったものはきっと誰かの胸を打つ、そんな根本的なことに気づかされた。記事を書く上でこの一年間、自分はその一文字、一フレーズにどれだけ意識を傾けながら執筆できたのだろうか、そんなことを内省もした。

取材対象者から気づかされることはやはり、無限にある。

 紅白本番のキンプリのステージは2人が予告していた通り、ミッキー&ミニーとコラボした多幸感あふれるものだった。晴れやかなステージがよく似合う2人のパフォーマンスに、自然と口角が上がった人も少なくなかっただろう。

 文字にすると「グループにとって6回目出場」のフレーズは何だかあっさり見えてしてしまうが、同記録は体制変更を繰り返しながらもキンプリであり続けることを選択し、その意義を再確認しながら、音楽性を強化してきた証しでもある。エンターテインメントの現場を取材する一記者として、取材対象が日々積み重ねる努力や葛藤に思いをはせながら、今年も取材に励みたい。(奥津 友希乃)

編集部おすすめ