歌舞伎俳優の中村福之助が3日、東京・新橋演舞場で初日を迎えた「初春大歌舞伎」(27日千秋楽)の昼の部「鳴神」で鳴神上人を演じた。

 11月から体調不良で休演していた福之助が歌舞伎十八番の名作で舞台復帰。

父の中村芝翫が度々勤めてきた鳴神上人を受け継いだ。品格ある高僧が色気に惑わされ次第に墜落していく様子や、事の経緯を知り怒り心頭で柱を巻くようにみせる柱巻きの見得、不動明王の姿をかたどる不動の見得をダイナミックに披露。迫力のある立ち回りに場内の熱気が高まる中、幕切れに六方で豪快に花道を引っ込んだ。

 古典の名作で主役を演じることに「まさか、兄の(中村)橋之助より先にやらせていただけるとは思ってなかったので、うれしい。試すことはしたくない。クオリティーにこだわりたい。気合を見てほしい」と意欲的。中村鷹之資とダブルキャストで「僕はプライドとかないので、大ちゃん(鷹之資)の鳴神を見て吸収できればいいな」と話している。

 父の芝翫から「お前ならできる」と激励された。舞台では昨年の体調不良を感じさせないキレのある動きで観客を魅了。「健康でなれけば、何もできないと思い知らされた。体調に気をつけて、楽しみたい」と自分に言い聞かせるように語った。

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