◆第104回全国高校サッカー選手権 準々決勝 神村学園(鹿児島)4―1日大藤沢(神奈川)(4日・U等々力)

 準々決勝4試合が行われ、国立切符をつかんだ4強が出そろった。夏の総体王者の神村学園(鹿児島)はFW倉中悠駕(ゆうが、3年)が4得点と大活躍し、日大藤沢(神奈川)を4―1で退けた。

倉中は6得点で得点ランク単独首位に浮上。1大会最多記録を持つ大迫勇也の10得点(08年度、鹿児島城西)の背中も見え、「歴代トップになれるように」と誓った。鹿島学園(茨城)は興国(大阪)を3―1で破り、17大会ぶりの準決勝進出。尚志(福島)、流通経大柏(千葉)も勝ち上がった。準決勝は10日に東京・MUFG国立で行われる。

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 等々力が“倉中劇場”と化した。0―0の前半29分、相手陣内でのボール奪取から好機をつくり、最後は倉中がエリア中央から迷わず左足を振り抜いた。「自分が決めてやろうという気持ちがあった」。3試合連続で先制弾を決め、神村学園に流れを引き寄せた。

 勢いはもう止まらない。後半13分に再び左足で追加点を奪うと、同23分には、J2いわき内定のDF中野からパスを受け、右足でネットを揺らした。高校の公式戦では自身初のハットトリックだったが、これで収まらず。

2分後にはCKを頭で合わせて4点目。破竹の活躍に会場が静まり返った中、両手を広げてほえた。大会前に恥骨を疲労骨折し、痛み止めを服用しながらプレーする背番号9に、有村圭一郎監督(48)は「勝利に欠かせない活躍をしてくれた」と目を細めた。

 利き足は右だが、父・美行さんの教えで左右どちらでも蹴れるようになった。宮崎工で全国選手権8強入りの経験があるという父を上回る4強に「超えました」と少し照れながら笑う。自身も宮崎で生まれ育ち、中学時代は中体連の吾田中でプレー。ただ、神村学園OBのFW福田師王(現カールスルーエ)の活躍に刺激を受け、鹿児島の強豪の扉をたたいた。その憧れの福田が22年度に達成した4強にも到達。卒業後は国士舘大に進学し「大学からプロを目指している」と未来も見据えている。

 大会通算6得点で、チームメートのFW日高を抜き、得点ランク単独トップに浮上。目指すは08年度大会の鹿児島城西で準優勝し、大会得点記録(10点)を樹立した大迫だ。「選手権前から大迫選手を追い越そうと考えていた。

あと2試合で超えて、自分が歴代トップになれるように頑張りたい」。レジェンド超えで、神村学園を初優勝に導く。(浅岡 諒祐)

 ◆倉中 悠駕(くらなか・ゆうが)2007年4月8日、宮崎・日南市生まれ。宮崎・吾田中から23年に神村学園に進学。今大会は3戦連続得点で6得点。卒業後は国士舘大に進学予定。父・美行さんは宮崎工で選手権8強を経験。憧れは日本代表FW上田綺世。180センチ、74キロ。

 ◆高校選手権の1試合最多得点 個人記録では、1976年の首都圏開催以降、5得点がトップ。91年度大会の鹿児島実(鹿児島)・上地敏彦、92年度大会の習志野(千葉)・原祐俊、21年度大会の阪南大高(大阪)・鈴木章斗(現J1広島)の3人が記録した。前回大会では、堀越・三鴨奏太(当時2年)が松山北(愛媛)との3回戦で4得点を記録。

大会を通じて5ゴールを挙げて、得点王になった。

 ◆歴代の得点王 大会最多得点記録は、08年度大会で鹿児島城西・大迫勇也(現神戸)が記録した10点。1回戦から準々決勝まで4戦連続マルチ得点の大会新記録をたたき出すと、準決勝と決勝でも1点ずつ獲得し、6試合連続得点を達成した。大会9得点は1999年度の富山第一・石黒智久と2003年度の国見・平山相太が記録。平山は前年度に続き2年連続の得点王となった。

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