富士市出身の巨漢中学生が今春、角界入りする。吉原三中の本多紘己(3年)が、このほど大相撲の錣山部屋に入門。

相撲や格闘技の経験はないが、189・7センチ、135キロはすでに幕内力士にもひけを取らない体格だ。中学卒業後の春場所(3月8日初日・エディオンアリーナ大阪)で初土俵を踏む予定。将来の夢は「一番上」と果敢に横綱を目指す。

 すでにその目線は現役時代に186センチだった師匠・錣山親方(44、元小結・豊真将)よりも高い。昨年末に学校内で行われた入門会見で、本多は「優しい心を持った強い力士になりたい」と緊張した面持ちで抱負を語った。

 師匠との出会いは昨年4月に家族で遊びに行った神奈川・藤沢巡業。ファンへのサインを書いていた錣山親方の目に、横を通り過ぎる巨漢少年の姿が留まった。ペンを走らす手を止めて駆け寄り、即座に声をかけた。「君、相撲をやってみないか」

 本多は面食らったが、親方はさわやかで、優しげだ。ゴールデンウィークを利用して東京・江東区の錣山部屋を訪問した。初めて見る朝稽古は「想像したより、2倍も3倍も厳しいと思った」。驚きもあったが「激しくぶつかり合う力士がかっこいいと思った」。

その後も合宿に参加し、力士たちと接する中で、秋頃には入門の意志が固まった。

 実は巡業へ遊びに行ったのには、父・俊之さん(53)のちょっとした狙いがあった。誕生時は2780グラムとやや小さかったが、小3でサッカーを始めた頃には170センチ、70キロほどに、みるみる成長。「この体格なら。相撲に興味を持つかも。1回見せたい」。だが、スカウトされることまでは想像していなかったという。「最初は恥ずかしがっていましたが、稽古見学に行ってからは一切言わなくなりました」。家族も全面的に応援することを決めた。

 初場所の幕内力士の平均身長、体重は184・6センチ、156・7キロで、既にひけを取らないが、錣山親方は「まだまだ成長していて、これから心も体も鍛えていかなくてはいけない」とじっくり育てる方針。だが、「手足の長さからは突き押しが強力だった曙さん(元横綱、故人)を思い出した」とその潜在力に期待している。

 春場所では本名の「本多」で初土俵を踏む予定だが、「いずれは地元にちなんだしこ名を」と師匠。

“富士”の2文字を含んだしこ名が番付表に載る日が来るかもしれない。まだ四股や股割りなどの基本稽古に必死の15歳は「まず目指したいのは幕内。最終的には一番上までいきたい」と大きな夢を描いている。

(甲斐 毅彦)

 ◆本多 紘己(ほんだ・こうき)2010年11月17日、富士市生まれ。15歳。小3の時に富士市のトライアングルサッカークラブでサッカーを始める。吉原三中でもサッカー部に所属。ポジションはMF。趣味は読書とゲーム、音楽(米津玄師が好き)。好きな食べ物は唐揚げ、母・理恵さんの手料理。189・7センチ、135キロ。血液型はB型。

家族は両親と姉。

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