読売テレビ(大阪市中央区)の松田陽三社長が5日、社内に向けた新年のあいさつを同社を通じて発表した。

 同社は昨年4 月、中京テレビ、福岡放送、札幌テレビと共同持株会社 FYCSホールディングスを設立し、経営統合した。

「昨年は私たち読売テレビグループにとって、まさに未知の大海原に乗り出した1年になりました」と振り返り、新年にあたって「すでに外枠は整いました。いよいよ今年は、ハコに中身を詰めて、魂を吹き込む1年になります」と改めて2年目に向けた決意を述べ「4 局の個性を掛け合わせて魅力的なコンテンツを次々に組成し、エリアを超えて、全国ネットで放送していくのが今年の目標です」とした。

 昨年のハイライトには「映像表現をなりわいとする我々にとって重大な出来事」という「画像生成AIの驚異的な進化」を挙げた。

 「世の中の人々の写真や動画、映像作品の受け止め方を一変させようとしています。かわいらしいペット動画や衝撃的なハプニング映像を見ても、にわかには本物と信じられず、疑いながら、距離を置きつつ見る時代が到来しました。 すでにSNSやネット動画にはフェイクニュースや誤情報、詐欺話が蔓延(まんえん)しています。映像そのものの真偽、真贋(しんがん)が問われる時代には、情報の発信元がだれであるか、その発信元が信頼できるかどうかが問われます。我々は視聴者から『読売テレビの報じるニュースだから信じられる』『ytv の番組ならば安心して見られる』などと、信頼される存在にならないといけません」と奮起を促した。

 同社では昨年9、10月に、グループ会社・ ytv メディアデザインが制作し、全編の映像を AIで生成したSFショートドラマ「サヨナラ港区」を放送した。「ここで忘れてはならないのは、AI をコントロールするのは人間の良識、倫理感、審美眼ということです。人間が責任を持って正確で公正、安全な情報を伝えなければなりません。人とAIが共存する時代だからこそ、テレビ局の強みである『信頼と安心を多くの人たちに迅速に届ける』ことの意義が高まっています」。

 国内、海外に向けたコンテンツ制作や新たなビジネスモデルの開発への挑戦を促しながら「私たちは、これまでの常識が通用しない時代の大きなうねりの中で、ひるむことなく、新しい航路を切り拓いていかねばなりません。荒波に揉まれる船の舳先に立つのは皆さん一人ひとりです。波頭を乗り越えるエンジンは皆さんの情熱と創造力です。ともに知恵を出し合い、力を合わせ、限りなく広がる大海原をさらに加速して突き進んでいきましょう。一緒に未来のテレビ局を創り上げていきましょう」と締めくくった。

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