◆全国高校ラグビー 第6日(5日・花園ラグビー場) 桐蔭学園―大阪桐蔭

 準決勝が行われ、史上6校目の3連覇に挑む桐蔭学園(神奈川第1)は、大阪桐蔭(大阪第3)に24―21で勝って決勝進出。4点を追う後半ラストプレーで、プロップの喜瑛人(3年)がサヨナラトライを決め「皆が(前に)出てくれたから、最後に自分が取れただけ」と、勝って大粒の涙を流した。

 圧巻の逆転劇だった。後半27分に大阪桐蔭に逆転を許して17―21。万事休すかと思われたが、相手がボールキープに失敗した隙を見逃さなかった。大阪桐蔭がノックフォワードでマイボールスクラム。ロスタイムなしの時計は、すでに30分を回っていた。同31分、中央から攻撃開始。左右に振って13次、一時は相手にボールを奪われたが、喜がすぐさま接点に絡む。ターンオーバー。九死に一生を得て敵22メートルエリアに侵入すると、FW陣で前進した。そこから20次を重ね、ついに相手トライエリア直前でボールを持ちだした喜が中央にダイブ。トライ。プレーが途切れれば試合終了の緊迫感の中、36分までミス無く攻撃を完遂、逆転した。

 喜はこの日、殊勲のハットトリック。直後には、息を切らして涙を流しながら「全てを想定していた」と明かした。主将のフッカー・堂園尚悟が、後半途中に負傷交替。主軸を欠くこと、そして逆転に次ぐ逆転も、全て事前のミーティングで対策を練っていたという。「全員が、何をやりたいのか。それがコミュニケーションがあまりなくても、暗黙の了解としてみんな持ち続けていた」。言葉を発することさえしんどいラストプレー。自らが何をすべきかという共通意識は、フィフティーンにすり込まれていた。一度奪われたボールをジャッカル、そして最後はサヨナラトライを決めた喜だが「みんなが頑張ってくれたから。僕は、全部美味しいところをもらっただけ」と語った。

 どちらが勝者かわからぬほど、両軍が号泣。敗れた悔しさと勝った喜びがグラウンドに入り交じった。

決勝は7日、花園ラグビー場で初優勝を目指す京都成章(京都)を迎える。「優勝は目指しているけど、一戦一戦集中して、積み上げていった先に優勝がある」と喜。死闘を乗り越え、栄冠を摑む。

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