J1福岡との契約解除が5日に発表された金明輝監督(44)について、パワハラに該当する行為を繰り返していた疑いが強まったことによる更迭であることが、複数の関係者の話で分かった。

 チームは同日、福岡市内で行った緊急会見で「コンプライアンスに抵触する言動が複数あった」と説明したが、その実態は鳥栖の監督時代に続く2度目のパワハラの横行だった。

 関係者によると、当該行為は25年の福岡監督就任後のシーズン中のもので、チーム関係者を精神的に追い詰める言動が複数あった。クラブ内で行った調査結果を有識者に委ね、パワハラに該当すると判断された。調査は現在も続いているという。

 クラブは「事実関係の整理並びに適切な対応を進めている段階」として詳細の公表を先送りした。調査はクラブが主体となって行ったもので、リーグ関係者は「最終調査はこれからだが(クラブの)自浄作用があったと言えるのではないか」との認識を示した。

 金氏は鳥栖監督時代の21年、選手やスタッフへの暴力や暴言がパワハラと認定され、22年に日本協会(JFA)が指導者ライセンス降格を決定。JFAによるコンプライアンス講習を経て、24年に資格を再取得し、25年から福岡を率いていた。チームは5日、塚原真也コーチ(40)による暫定体制で始動した。

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【プラスα】JFAはパワハラの認識を改めるべき

 結果論として、Jクラブの監督を指揮できる「Proライセンス」を金氏に再交付したことは、間違いだったと言わざるを得ない。鳥栖での指導者ライセンス降格後、福岡の監督に就任した際、当時のJFA技術委員長は「彼は制裁を受けた。周りから応援してもらえる監督になることを期待する」とコメントしていたが、その認識は甘すぎた。

 過ちを犯した人に、再出発の機会を与えることは重要ではある。

しかし、現場復帰を後押ししたJFAは、パワハラへの認識を再度改め、今後同様の事案が発生した場合に、対応策を再考する必要がある。

 クラブとしては、金氏の度を超えた言動を制御できなかった点、リーグ側の指摘を受けてから調査に本腰を入れた点は失態だ。一方で、長期化が避けられないリーグ主体の調査を待たず、その前段階としてクラブ独自の調査で認定に至り、隠蔽(いんぺい)に走らなかった点は、過去にJクラブで発覚した複数のパワハラ事案とは異なる点と言える。

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