ヤクルトの木沢尚文投手(27)が7日、横浜市内の母校・慶大の日吉キャンパスで、「スポーツ分析論」(林卓史教授)のゲストスピーカーとして登壇。「トラッキングシステムを用いた分析」をテーマに、自身の知見を講義した。

 木沢は林教授が慶大の助監督を務めていた時の教え子。2年間にわたって指導を受けた縁から、今回の講義が実現した。慶大がラプソードを導入した2017年に入学。練習で活用することで現状を数値化し、課題を明確にすることで成長につなげてきた。

 講義では、2軍でも打ち込まれたプロ1年目の壁をどう乗り越えてきたか、2年目にチームトップタイの9勝を挙げる要因となったツーシーム習得への過程、そのオフに自腹で70万円を投資して、ラプソードを購入したエピソードなどを披露。データの役立て方、勝つためのデータ活用法についても持論を展開した。

 後輩たちには「努力しても、うまくいかないこと、評価されないことはあると思う。そんな時は解決策を自分の中で探すことが大事」と語りかけ、「壁にぶつかったときの対処法や、アプローチを楽しめるような過ごし方をしてもらえると、より自分の心が楽に成長できるんじゃないかと思います」とエールを送った。

 プロ5年目の昨季は42試合に登板して2勝1敗、9ホールド、防御率3・40。シーズン中に2度登録を抹消されるなど、悔しさを味わった。今オフは米ノースカロライナ州にあるトレーニング施設で鍛錬を積み、「まずは自分の投げているボールに自信を持てる状態で、マウンドに立てるようなコンディション作りをしていきたい」と意気込んだ。

 講義後は質問の列ができるなど、明快で情熱あふれる言葉は学生たちに響いた。

「まさか自分が授業で前側に立つ日が来るとは思ってなかったので、非常に新鮮でした」と木沢。青春時代の初心を呼び起こした価値ある90分。2026年も燕党の笑顔のために、右腕を振り抜く。(加藤 弘士)

編集部おすすめ