◆全国高校ラグビー▽決勝 桐蔭学園36―15(前半5―5)京都成章(7日・花園)

 花園にノーサイドの笛が響くと、京都成章のメンバーらが悔し涙を流した。5大会ぶり2度目の決勝で、またしても立ちはだかった桐蔭学園の壁。

前半同点も後半に突き放され、ゲームリーダーとしてチームを引っ張ったロックの土肥祐斗(3年)は「僕らも試合中の修正力は付けているけど、桐蔭学園さんの方が上だった。笹岡を日本一のキャプテンにしたかった」と唇をかんだ。

 9月に左膝を手術して在学中のプレーが絶望となり、裏方に徹した主将のFB笹岡空翔(くうと、3年)は「僕が不在の中で、頑張ってくれた仲間たちに感謝しかない」と大粒の涙。今春の全国高校選抜大会(熊谷)決勝で0―36と大敗した桐蔭学園相手に、先制するなど健闘したフィフティーンをねぎらった。

 現在の3年生が入学した23年春。元部員による不祥事が起き、同校やラグビー部全体に厳しい目が向けられた。学校長でもある同部の湯浅泰正総監督(61)は当時について「(現役部員には)普段通りに接した」と振り返る。選手らは、ひたむきに日本一を目指し、だ円球を追った。翌24年春は入部者がおよそ半減したが、当時入部したある部員は「(不祥事があり)どんな感じかなと思ったが、体験入部したら雰囲気が良くて」と入部を決め、ラグビーに没頭している。

 24年秋は京都予選決勝で京都工学院に敗れ、花園連続出場が10でストップ。その昨季は、次から次へと相手に鋭く刺さる伝統のピラニアタックルを封印し、相手を誘いこむディフェンスを試みたが、実らなかった。新主将となった笹岡ら最上級生は「僕らが憧れたピラニアタックルを復活させてください」とOBの関崎大輔監督(36)に直訴。

指揮官は「私が、ぶれていた」と失敗を受け入れ、恩師の湯浅前監督時代から続く“名物タックル”を復活。最大の武器を取り戻し、今季は京都の覇権を奪回すると、花園決勝の舞台にまで戻ってきた。

 この日出場した2年生たちが中心となり、新チームの戦いがすぐに始まる。笹岡は後輩たちに向け「ここから、まだまだ成長できる。ピラニアタックルという伝統を継承していってほしい」とエール。京都成章の挑戦は終わらない。(田村 龍一)

 ◇京都成章 1986年創立の私立共学校。ラグビー部も同年創部で現部員は男子97人(3年47人、2年25人、1年25人)、女子は16人。花園は2001年度に初出場し、今大会が17度目。主な同部OBは矢富勇毅(元静岡)、坂手淳史(埼玉)、本橋拓馬(神戸)。所在地は京都市西京区。湯浅泰正校長。

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