昨年12月24日に老衰のため92歳で死去した、落語家の初代林家三平さんの妻でエッセイストの海老名香葉子(えびな・かよこ)さんのお別れの式が9日、東京・台東区の寛永寺輪王殿第一会場で執り行われ、落語家・林家たい平が囲み取材に応じた。

 お別れの式を裏方としても支えたたい平は「実感が湧いていないです。

根岸に行けば、まだおかみさんがいるような気がします」と肩を落とした。最後に会ったのは、昨年8月後半頃。「少し遅いお中元を持っていった時、ぐっと握手をしました。僕がお部屋の蛍光灯を変える係で、新しいものに変えたところ、『明るくなって、ありがとう』と言っていました」と振り返った。

 88年、初代・三平さんの惣領弟子だった林家こん平さんに入門。当初は行儀見習いとして海老名家で住み込み修業を行い、香葉子さんの講演会も付いて回った。厳しい稽古で気が沈むと、海老名家の屋上に逃げ込んで泣いたことも。「おかみさんが非常階段で上ってきて、家庭菜園の畑のところでぎゅーっと抱きしめてくれて、『頑張れ、頑張れ』って励ましてくれました。おかみさんがいなかったら、(落語家を)やめてしまったと思う。情が熱くて濃いおかみさんでした」と感謝した。

 香葉子さんが入院していたことは聞いていたという。「心の中で覚悟はしていました。

100歳まで生きられると思っていたので、もう少し思い出話をする時間があれば」と声を詰まらせた。

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