日本相撲協会は9日、初場所(11日初日、東京・両国国技館)の取組編成会議を開き、2日目までの取組を決めた。横綱・大の里(25)=二所ノ関=は初日に幕内で3戦全勝の幕内・一山本(32)=放駒=、2日目に昨年3勝3敗の小結・王鵬(25)=大嶽=と対戦する。

昨年11月の九州場所千秋楽を左肩鎖関節脱臼で休場した大の里にとって序盤戦は2日目が“鬼門”。年6場所のうち唯一、初場所の優勝がない手負いの横綱を、大相撲担当の山田豊記者が「占う」。

 大の里は9日、茨城・阿見町にある二所ノ関部屋で稽古を行った。8日は休日返上で稽古するなどこの1週間は集中してきた。この日は本人の意向で急きょ非公開に。部屋を出る際には取材に応じたが「初日に向けて頑張ります」と多くは語らなかった。左肩の負傷状況は明かさなかったものの、前置きした「限られた時間の中で」という言葉で万全ではないことがうかがえた。

 取組編成会議で初日に一山本、2日目に王鵬との対戦が決まった。一山本には幕内で過去3戦全勝。だが、王鵬は昨年3勝3敗。不安を抱えるけがの状態を加味すると、2日目が序盤戦の鬼門となる。振り返ると、大の里は序盤での対戦を予想し、5日の横綱審議委員会の稽古総見で王鵬を指名していた。

本来は横綱、大関と対戦するのがベターでありマナー。だが、まだ状態が仕上がっていないこともあり、上位の大関、横綱とは対戦せず、小結・王鵬対策に時間を割いた。口癖の「序盤戦が大事」との言葉通り、伏線を張っていたと思える。

 191センチ、180キロの王鵬の圧力ある立ち合いは脅威だ。稽古総見では、いきなり王鵬にもろ差しを許し、寄り切られた。けがの影響で強力な左のおっつけは威力を発揮せず前に出られずに敗れた場面もあり、結果は3勝2敗。ただ、「重たい相手。左を使い、右をのぞかせられればうまくできる」と感触はつかんだ。この日、取組編成会議後に取材に応じた審判部の高田川部長(元関脇・安芸乃島)は稽古総見での大の里を「下半身はしっかりしている。体や手の使い方、バランスを考えて取っていた」と評した。

 昨年秋場所前の稽古総見は3勝8敗と大きく負け越し不安視されたが、ふたを開けてみれば横綱昇進後初V。昨年3月の春場所からは無傷の3連勝と確実に合わせてきた。

 初場所に合わせて新しい紺色の締め込みも用意している。「心機一転という意味。レベルアップしたい思いを込めた」と意図を明かす。この日も新しい締め込みを試したとみられるが「まだ(初場所で)着けるかわからない」と述べた。12日の2日目は、まだ優勝がない大の里の初場所を占う大きな一戦となる。 (山田 豊)

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