商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社である兵庫・西宮市の西宮神社で10日、参拝の一番乗りを目指して疾走する年始恒例の伝統神事「福男選び」が行われ、一番福に兵庫・加東市出身の豊川哲平さん(22=同大4年)が輝いた。

 抽選で19番くじを引き、2列目中央という絶好のスタート位置をゲットした豊川さん。

午前6時の開門と同時に勢いよく駆け出したが、直後に前のめりにコケてしまった。「左膝をすりむいて痛かったです。諦めかけたんですが、始まったとこやったし」と立ち上がると、登り坂で約10人をごぼう抜き。本殿に差しかかる際には2番手に浮上していた。

 「(1番ではなく)2番と思った」と再び諦めかけたその時、トップを走る地元兵庫・西宮市出身の赤松大樹さん(22=びわこ成蹊大4年)が90度コーナーでまさかの大ゴケ。突っ伏した赤松さんを尻目に、ラスト10メートルで首位に立った豊川さんが神職の胸に飛び込んだ。西宮神社の関係者によると「近年では一度こけて一番福になった例は記憶にない」という珍事だった。

 豊川さんは兵庫屈指の進学校・小野高では野球部に所属。高校時代も投球イップスを発症したが、諦めることなく中堅レギュラーの座をつかんだ逆境に強い男だ。

 京都の某銀行への就職が決まっている。具体的な企業名は明かさなかったが、どうやら「ながーい、おつきあい。」でおなじみのところらしい。京都(の某)銀行といえば、自身はかなわなかった夏の甲子園の中継時に流れるCMでも有名。

一番福の御利益で、そのCM出演も夢ではないのでは?

 「是非お願いしたいです」

 はにかんだ豊川さん。同銀の先輩たちに「4月からよろしくお願いします。頑張ります」と頭を下げていた。

 二番福は大阪市中央区の沢井歩さん(21=神戸国際大3年)。現役のサッカー部員ということで「ドリブルが得意なので」と安定した走りでゴールした。

 三番福の赤松さんは、本殿内で痛恨のヘッドスライディング。「勝った思てヨッシャー言うてたんですけど、最後は“はいはい”しました(笑)。(過去の映像で)こける人を見てて『自分は絶対こけへん』思てたんですけど」と照れ笑いしていた。

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