大相撲初場所は11日に東京・両国国技館で初日を迎える。新大関として臨む安青錦(21)=安治川=が10日、国技館内で行われた優勝額贈呈式に出席。

九州場所で初優勝を果たした喜びを改めてかみ締めた。18日の8日目には、6年ぶりに天皇陛下国技館行幸(天覧相撲)が行われる予定。ウクライナ出身の21歳が記念すべき場所で、2006年夏場所の白鵬(元横綱)以来、20年ぶりの新大関優勝に挑む。

 「安青錦」のしこ名が呼び上げられると、集まった100人前後のファンから大歓声が起こった。声量は同席した横綱・大の里にも負けない。年6場所制となった1958年以降に初土俵を踏んだ力士では最速(付け出しを除く)の初土俵から所要14場所で大関に昇進した21歳は、優勝額を前に「(国技館の)上にあるのを見ていると、そこまで大きく見えないが、実際に隣に立ったら大きかった。思ったよりかっこよかった。これから飾られるので、明日も楽しみ」と喜びを語った。

 身が引き締まる思いで新大関場所に臨む。中日(18日)が天覧相撲となることが9日に発表された。平成以降で天覧相撲は24回あり、大関の優勝は横綱(10回)に迫る9回。20年ぶりの新大関優勝へデータも後押しする。

「今場所も喜んでもらえるようにやりたい。(優勝額を)増やしていきたい」と言葉に力を込めた。

 皇后雅子さまが昨年12月9日の誕生日に際して公表された感想の中で、自身の九州場所での優勝が取り上げられた。

 「大相撲では、九州場所で安青錦関が初優勝し、祖国ウクライナの戦乱を逃れて日本にやってきた高校生が、一心に稽古を重ね、日本の伝統である大相撲で大関まで昇進したことに感銘を受けました」

 安青錦は「びっくりした。そのように言っていただいたので、うれしかった。これからもそう思ってもらえるように頑張りたい」と目を輝かせ、さらなる奮起を誓っていた。初日は幕内・宇良(33)=木瀬=、2日目には、幕下含め過去3戦3敗の同・義ノ富士(24)=伊勢ケ浜=と対戦。難敵を退けて白星を重ね、いい形で中日を迎える。

 年明けからはメディア出演を控え、4日連続の出稽古で関取衆と相撲を取るなど、調整のペースを上げた。「自分の体の調子を見て、師匠と相談しながらやってきた。あとはやるだけ」と準備は万全。新大関場所の初日を前にしても「あまり意識はしない。

今まで通りで変わったことはない」と平常心で、2場所連続優勝へと突き進む。(大西 健太)

 ◆天覧相撲 明治天皇の1868年4月、大阪・坐摩(いかすり)神社での京都相撲が最初とされる。国民とともに本場所土俵を観戦されるようになったのは、昭和天皇の1955年夏場所から。昭和天皇は85、86年に東京開催の年3場所すべてに足を運ばれるなど計40回。平成で23回。令和に入ってからは2回目となる。

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