◆第104回全国高校サッカー選手権 準決勝 鹿島学園(茨城)1―0流通経大柏(千葉)(10日・MUFG国立)

 準決勝2試合が行われ、鹿島学園(茨城)と神村学園(鹿児島)が、ともに初の決勝進出を決めた。鹿島学園は5試合連続途中出場のスーパーサブFWワーズィージェイヴェン勝(かつ、2年)が後半45分に大会初ゴールとなる決勝点を奪い、強豪の流通経大柏(千葉)に競り勝った。

決勝は12日14時5分、MUFG国立で行われる。

 ワーズィーの目の前に、こぼれ球が転がってきた。0―0の後半45分、鹿島学園の絶好機。「第六感が働いて、あそこにいたのかな。外すとかそういうことを考えず、(左足を)振り切りました」。無我夢中で奪った決勝点に、国立が沸いた。「今日はもう寝られないです」。米国出身の父を持ち、母の作る唐揚げが大好物のスーパーサブが試合を決めた。

 ダークホースとして快進撃を続ける鹿島学園は、優勝候補の流通経大柏とも対等に渡り合った。選手個々の技術力では劣ったが、球際の勝負や運動量では引けを取らず。0―0の後半24分、鈴木雅人監督(50)から「とにかくシュートだ」と送り出されたワーズィーが最終盤に試合を決めた。

 FW歴はまだ1年半ほど。

保育園でサッカーをはじめ、さまざまなポジションを経験する中で小5~中2の期間は「シュートを止めるのが楽しくて」とGKも経験したという。鹿島学園入学時はDFで、1年の夏にFW起用をテストされて“合格”をもらい、今大会はスーパーサブとして活躍中。鈴木監督は「この大会期間中も、さらに自信をつけて伸びている」と目を細める。

 昨年3月に流通経済大柏との練習試合では、0―3で敗れた。ワーズィー自身も出場したが「チンチンにされた(手も足も出ない状態)。1回も競り勝てないし、1回も(ボールが)収まらないみたいな」。レベルの差に衝撃を受けたが、味わった無力感を糧とした。「走りがきつくなった時に(その練習試合のことを)問いかけるようにしました」。再戦となった一戦で、これ以上ない形で成長を示した。

 ワーズィーは「ここまで来たら、もう優勝するしかない」とキッパリ。鹿島(J1優勝)、水戸(J2優勝)、筑波大(全日本大学選手権優勝)、鹿島ユース(ユース大会3冠)に続く2025年度の“茨城旋風”締めの日本一まで、あと1勝だ。(岡島 智哉)

 ◆ワーズィージェイヴェン勝 2008年4月11日、東京都生まれ。

17歳。父が米国人、母は日本人。保育園の頃にサッカーを始め、中学年代はFCトッカーノで活躍。練習参加でプレーを認められ、鹿島学園に入学した。「英語は堪能?」との質問には「いや、そういうわけでは…(笑)」。180センチ、66キロ。右利き。

 ◆25年度の茨城旋風 J1では鹿島が9年ぶり9度目の優勝。J2では水戸が2000年のJ2参入から史上最も遅い26シーズン目で悲願の初昇格で優勝も飾った。大学サッカーでは筑波大が全日本大学選手権で9年ぶり10度目V。鹿島ユースはクラブユース選手権U―18、Jユース杯に加え、プレミアリーグ東西王者の優勝決定戦も制して3冠を達成した。

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