◆第104回全国高校サッカー選手権 準決勝 鹿島学園(茨城)1―0流通経大柏(千葉)(10日・MUFG国立)

 鹿島学園が後半終了間際の途中出場のFWワーズィージェイヴェン勝(2年)の劇的ゴールで流通経大柏を1―0で下し、同校初、県勢では45年ぶりの決勝進出を決めた。

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 鹿島学園は昨年3月に流通経大柏と練習試合を行っていた。

トップ同士の対戦でスコアは「0―3」。小雨が降るピッチで、鹿島学園の選手たちは完膚なきまでの敗戦に打ちのめされた。

 その試合で鈴木雅人監督は主審を務め、ピッチレベルで強さを体感した。

 「本当にバーンと衝撃を受けました。練習試合をやった中でやっぱり流経さんが今年(25年)一番強かった」

 鹿島学園の3年生は、1年時にルーキーリーグで優勝し、2年時にも選手権に出場していない高校が出場する大会で優勝するなど勢いがあったが、その1試合で鼻をへし折られた。この日の試合後にも当時の戦いについて聞かれた指揮官が「完敗でした。球際、切り替えスピード、連続性、勝負強さ、前線のタレント…うちとは全然違うなと思って。本当に完膚なきまでの形で0―3で負けました」と振り返るほどだった。

 ただ、この負けがターニングポイントになった。主将のDF斉藤空人を中心に選手で話し合い、意識を変えた。「その試合まで、どの相手とやっても勝てて慢心してたじゃないですけど、自分たちはできるっていうのがあったんで、その試合で負けたことによって、シーズンが始まるにつれて、もっとやらないととか、もっと上を目指してやらないととなりました」と斉藤。そして、最後の最後の準決勝という大舞台で訪れたリベンジのチャンス。

鹿島学園は鈴木監督のもと、15分刻みでプランを考え、無失点の時間を長くし、勝機を見いだす戦いを展開。10か月前に圧倒された球際、切り替えの速さ、強度で対等に渡り合い、そして、最後の最後に上回った。

 準決勝を前に、指揮官は「子どもたちが、試合をするたびにたくましくなっているというのと、自信をつけているというのは間違いないかなと思います。17年前もそうだった気がしますが、子どもたちの成長は計り知れないというのと、改めて大人の見立てだけではない伸びる要素は多々あるんだなと思う」と言っていたが、まさにそんな姿を1試合の中でも体現して見せてくれた鹿島学園。戦いを重ねるごとに強くなり、いよいよ全国の頂点まであと1勝に迫った。

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