パントマイムアーティスト「が~まるちょば」のHIRO―PONが、全国ツアー「ピストルと少年」を2月20日の東京・紀伊國屋サザンシアターからスタートさせる。このほどスポーツ報知の取材に意気込みを語った。

 パントマイムを始めて約35年。ずっと天職だと信じている。「他のエンターテインメントよりもずっと面白いと思っている。言葉を使わずに体一つだけでお客さんの心を動かす醍醐(だいご)味は他にない」と自認する。

 ツアータイトルには「見た人によってセリフや心情を想像できるのがパントマイムの良さ。お客さんの想像力が膨らんでいったらいい」という思いを込めた。「固定概念を払拭(ふっしょく)したい。ストーリーがあって、言葉がなくてもこんなに伝わるんだと言うことを多くの人に知ってもらいたい」とアピールした。

 2021年の東京五輪ではクリエイターとして参加し、ピクトグラムパフォーマンスを演じて話題に。昨年の大阪・関西万博でもステージに立った。「多くの人の中で生きることは意味のあること。なるべく多くの人に見ていただきたい。

30年以上続けてきたパントマイムを知っていただくのもきっと僕の生きる意味だし、責任感も感じる」

 日本では「先駆者がいなくて参考にできる人がいない」というパントマイム。「一番重要なのは、自分の内面をコントロールする技術。肉体が衰えていってもパントマイムは上達できる。表現者って『人間力』だから。舞台にはその人がどういう人かが出てくる。今の僕は10年前から人としても成長しているはずなので、それが表現に出てるんだろうな」と自信を口にする。

 漫才やコントと違って、パントマイムを志す若者は…。「増えてないのは僕を含めて、やる人間の責任。大変で面倒くさいし、僕はその喜びや価値観が分かっているから続けられるけど、分かるようになるまでは大変。それが分かる手前で挫折する」と淡々。それでも「しゃべらないで伝えるのは結構難しいが、できた時は見た者に感動が伝わる。言葉の壁もなくなるから世界共通になり、言葉を使う舞台以上のものが伝わる」と、無限の可能性を信じている。

 自らのパフォーマンスを客観視する姿は極めて理知的だ。「肉体は患った時に薬があるけど、肉体以外にも患うことはある。内面に効く薬は、笑ったり感動して涙したりするのが一番。この仕事は見た人の心に響く効能がある。エンターテインメントは人の肉体ではなく、内面的なところに効く効能がなければ意味がない。それが僕の仕事」と言い切った。

 「新作を作るたびに学びがある。今日よりあしたの自分の表現を広げて、技術を上げていかなきゃいけない」。尽きない向上心を新たなステージにぶつける。(堀北 禎仁)

 ◆が~まるちょば 1999年にHIRO―PONとケッチ!がサイレントコメディーデュオとして結成。2004年に世界最大の芸術祭「エディンバラ・フェスティバル・フリンジ」でダブルアクトアワードを受賞。世界35か国以上で公演を行うも、19年にケッチ!が脱退。

現在はソロとして活動を継続。

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