陸上女子800メートルの日本記録保持者・久保凛(東大阪大敬愛高3年)が12日、大阪市内で取材に応じ、高校卒業後の進路について、実業団の積水化学に進み、プロアスリートとして活動することを明らかにした。

 同日にヤンマースタジアム長居発着で行われた大阪高校女子駅伝に出場した母校の付き添いで訪れた際に取材に応じた。

積水化学と所属契約を結び、中長距離の陸上クラブ「TWOLAPS」で男子800メートル元日本記録保持者・横田真人氏に指導を仰ぐという。「TWOLAPS」は東京・世田谷区を拠点とし、横田氏が代表兼コーチを務める中長距離のトラッククラブだ。「高校卒業してからも800メートルでもっと強くなりたいっていうところで、横田さんに声をかけていただいた。横田さんも800メートルで世界で活躍されていた方だったので、強くなるためには横田さんに見ていただきたいと思った。一番強くなれると思った」と決め手を語った。

 今後の目標は変わらず「世界で活躍できる選手になりたい」と久保。新たなステージになるが「環境が変わってもしっかり努力をして、そこで結果を出せる選手が一番強い選手だと思う。自分は、環境が変わったということを理由にせずに、しっかりやることをやって、結果を出し続けたい。今はすごい、楽しみ」と笑顔で話した。

 800メートルを専門種目とする久保は、167センチの長身を生かしたスケールの大きな走りが持ち味。高校1年の全国高校総体を制覇すると、高校2年の6月の日本選手権で初優勝。さらに同年7月15日は奈良県長距離強化記録会の女子800メートルで1分59秒93の日本新記録をマーク。

杉森美保が05年にマークした2分0秒45の日本記録を19年ぶりに更新し、日本女子初の1分台で走破した。

 今シーズンも成長を続け、昨年7月の日本選手権で1分59秒52の日本新記録で連覇を果たし、9月の東京世界陸上にも出場した。予選落ちに終わったが、17歳にして堂々と“世界デビュー”を果たし「世陸で走れたことは大きな経験になりました」とトラックシーズンを総括していた。

 積水化学の女子陸上競技部は1997年4月に創部。マラソンでは22年オレゴン世界陸上代表の新谷仁美や23年ブダペスト世界陸上、25年東京世界陸上代表の佐藤早也伽。5000メートルでは25年東京世界陸上代表の山本有真ら日本代表クラスの選手が多く在籍している。

 4月から新たなステージへと向かう久保。日本女子800メートルの第一人者として、さらにレベルアップする。

 ◆久保 凛(くぼ・りん)2008年1月20日、和歌山・串本町生まれ。17歳。小学1年から6年までサッカーが中心で、潮岬中入学から本格的に陸上を始めた。東大阪大敬愛高に進み、全国高校総体800メートル3連覇。

24年の日本選手権で初優勝し、奈良の競技会で日本勢初の2分切りとなる1分59秒93の日本新記録(当時)をマーク。昨年7月の日本選手権は1分59秒52と、さらに縮めて2連覇。同9月の東京世界陸上は予選敗退。サッカーで国体出場経験のある父・建二郎さんは、日本代表MF久保建英(Rソシエダード)の叔父。

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