◆全国高校サッカー選手権 決勝 神村学園(鹿児島)3―0鹿島学園(茨城)(12日・MUFG国立)

 神村学園(鹿児島)が初優勝を達成した。決勝で鹿島学園(茨城)に3―0で勝利し、県勢では04年度の鹿児島実以来の快挙を成し遂げた。

1976年度に首都圏開催に変わって以降では史上6例目の夏の総体との2冠も果たした。

 前半19分、縦パス一本に抜け出した神村学園FWFW徳村楓大(3年)のシュートを、鹿島学園GKプラムピー・スリブンヤコがブロック。そのこぼれ球を、FW日高元(3年)が左足で冷静に沈めて先制に成功した。日高は得点ランク単独トップに立つ今大会7点目となった。

 さらに神村学園は同30分、ボックス内で仕掛けた徳村が倒されてPKを獲得。キッカーはJ1町田への加入が内定している徳村が自らつとめたが、ゴール左を狙ったシュートは、鹿島学園のU―17タイ代表のGKスリブンヤコがセーブした。さらにこぼれ球を今大会6得点の神村学園FW倉中悠駕が狙ったが、シュートは右ポストに阻まれて追加点はならなかった。

 それでも神村学園は同39分。鋭い縦への攻撃から、はね返されたこぼれ球を拾ったMF堀ノ口瑛太(3年)が右足を振り、強烈なミドルシュート。これがゴール左隅に決まり、リードを広げた。

 テクニックに加えて、「5秒で奪い返す」をコンセプトに運動量を追求した。日頃の練習によるフィジカル的な強さだけではなく、精神的なタフさも求めた。

夏の総体優勝後、祝勝会を一切設けず、翌日から全国各地への遠征を実施。1か月以上に及ぶ遠征では1日2試合以上のペースで連戦を重ねた。全ては最終目標である選手権優勝を成し遂げるためだった。

 今大会の序盤は夏の王者らしく、相手を圧倒した。2回戦から登場すると、日高がハットトリックを決めるなど、東海学園(愛知)に6―0で大勝。3回戦の水口戦(4〇0)、準々決勝の日大藤沢戦(神奈川)でも快勝した。

 10日に行われた準決勝の尚志戦では苦戦を強いられた。総体の準決勝で勝利した相手に序盤からカウンターで1点を失うと、打倒神村を掲げ対策を重ねてきた相手に主導権を奪えなかった。しかし、後半28分に日高が同点弾を決めて運命のPK戦へ。キッカーが9人目に到達しても終わらず、10人目でようやく熱戦に終止符が打たれた。

 日高と倉中による得点王争いも白熱した。ともに宮崎出身で、県の選抜チームで一緒だった小学校時代からの縁だ。

2回戦と3回戦の2試合で日高が5得点を決め首位に立つと、準々決勝では過去2戦で2得点の倉中が衝撃の4得点を決めて、単独トップに浮上。負けじと、準決勝では日高が得点を決めた。

 このチームには、Jクラブへ入団が内定している選手が3人(DF中野陽斗、福島和毅、徳村楓大)がいる。しかし、それぞれが総合力の高さを発揮し、頂点に上り詰めた。有村圭一郎監督は「強い鹿児島を取り戻したい」と常々語ってきたが、その思いが聖地で結実した。

 ◆神村学園 1956年に串木野経理専門学校として開校。串木野商女、串木野女を経て90年から現校名。97年から中等部、98年から高等部が共学化。幼稚園、初等部、中等部、専修学校を併設。卒業生に福元美穂(女子サッカー日本代表GK)、大山百合香(歌手)ら。所在地はいちき串木野市。

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