◆全国高校サッカー選手権 決勝 神村学園(鹿児島)3―0鹿島学園(茨城)(12日・MUFG国立)

 大会史上最多の6万142人を集めて決勝が行われ、神村学園(鹿児島)が悲願の初優勝を達成した。前半、FW日高元(3年)が得点ランキングで単独トップとなる今大会7点目を決めて先制し、鹿島学園(茨城)を3―0で下した。

鹿児島県勢では21大会ぶりの頂点で、昨夏の全国高校総体との2冠は史上6校目となった。“鹿実魂”を引き継ぎ、強い鹿児島を取り戻した。

 DF中野は優勝が決まった瞬間、ようやく重圧から解放された。3年間の集大成を終え「2冠を成し遂げて、いろいろな人に恩返しができた」とかみしめた。

 昨年、自身のサッカー人生に関わる2人を立て続けに亡くした。一人は母・藍さん(42)のいとこで、サッカーを始めるきっかけとなった「身近なお兄ちゃん」の従伯父。5月下旬からのU―18日本代表のスイス遠征中に急死し、帰国後の車中で伝えられた。もう一人は小学校時代のコーチ。亡くなる2日前に試合会場で会い激励を受けたが、急性の病気で帰らぬ人となった。相次ぐ訃報(ふほう)を受け、「自分が頑張る姿を見せて恩返ししないといけない」と強い使命感が芽生えた。

 今大会、中野はキックオフ直前に顔の前に両手を合わせ、空を見上げる動作をルーチンにしている。「感謝の気持ちを忘れないためにもずっと続けたい。

頑張る姿をこれからも見てほしい」。高校卒業後はJ2いわきに入団。プロでも感謝を胸に羽ばたく。(浅岡 諒祐)

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