大相撲 ▽初場所2日目(12日、両国国技館)  

 9場所ぶり 東前頭16枚目・朝乃山が545日ぶりに幕内で白星を挙げた。西同17枚目・羽出山を力強く寄り倒した。

三段目転落からの幕内復帰2度は史上初。左膝の大けがから再起を果たした元大関が、9場所ぶりの幕内土俵で存在感を示した。新大関・安青錦は西前頭筆頭・義ノ富士を逆転の首投げで下して2連勝。豊昇龍、大の里の両横綱も、ともに連勝発進となった。

 立ち合いから圧力をかけて右を差す。朝乃山から速い相撲に徹しようとする強い意志が感じられた。膝の手術を受けて2度目の再出発は三段目から。長い相撲は膝に負担がかかる。速攻こそが生き残るための最後の手段かもしれない。行司の「残った」という声を聞くのは2回目まで。私もそういう気持ちで幕下からはい上がった。代名詞の立ち合いからのがぶり寄りを習得して大関まで上がった。

 縁のある力士だ。コロナ禍のコンプライアンス違反で事情聴取をしたのが当時、協会のコンプライアンス部長を兼任していた私だった。手術する前日には偶然にも都内の病院でばったり会って「応援してくれるファンがたくさんいるのだから、焦らずに治すんだよ」と励ました。以前のような体の張りはないかもしれないが、幕内の土俵に上がっていれば幕内の体に戻ってくる。焦らず、一歩一歩、上がっていけばいい。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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