13日放送のテレビ朝日系「報道ステーション」では、フリーアナウンサーの久米宏(くめ・ひろし)さん(享年81)が1日、肺がんのため死去したことを冒頭で報じた。
1985年10月にスタートした同番組の前身「ニュースステーション」でメインキャスターを担当。
キャスターの大越健介氏は「この『報道ステーション』の前身『ニュースステーション』のキャスターを18年間にわたって務めた久米宏さんが亡くなりました。81歳でした」と報じると「時に厳しく、そして痛快に縦横無尽のスタジオワークでニュースの本質に迫る姿はテレビ報道の革命児そのものでした」とたたえた。
久米さんは1985年10月にスタートした同番組の前身である「ニュースステーション」でメインキャスターを担当。2004年3月の“番組卒業”まで18年にわたって、同番組を牽引。日本のテレビ史においてニュース番組のあり方を一変させた。
それまでのニュース番組は、報道局の記者が書いた原稿をキャスターが読む、という構成だったが、「ニュースステーションはテレビ朝日の制作局、報道局と久米さんが所属する制作会社「オフィス・トゥー・ワン」がチームを組んで番組を制作するという前代未聞の形に。
番組のコンセプトは「中学生でもわかるニュース」。徹底したのは“視覚主義”で、ブーメラン型の半円のテーブルに出演者が配置されるおしゃれなセットを設置した。難解なニュース用語もフリップや模型、人形、積み木などを使って解説した。日航機の墜落事故についてのニュースでは、犠牲者の人数分の靴を手配して並べるなど、視覚から視聴者に訴えかける伝え方を追求した。生放送時に手に持つペンの種類すら、ネクタイやスーツの色に合わせて同じ色のペンを選ぶ念の入れようだった。
久米さんは「神は細部に宿る」と、番組制作の中枢を担った。報道記者が書いてきた原稿は必ず手直し。紋切り型の表現や慣用句は排除し、自分の話し言葉に変えた。意見を述べる場面では、他のニュース番組や新聞の主張と重なる表現は絶対に使わなかった。
スポーツニュースにも力を入れた。広島ファンで知られ、1989年のシーズン開幕前には「巨人が優勝したら坊主になります。日本一になったら徳光(和夫)さんの番組で万歳をします」と宣言。リーグ優勝の4日後に丸刈り姿で出演したほか、日本一を達成した11月には本当に日本テレビのニュースに出演して万歳をするなど、公約を実現。ニュース番組のショーアップ化に一役買った。

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