◆プロボクシング ▽日本スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ10回戦 ●王者・石井渡士也(9回TKO)同級1位・池側純〇(13日、東京・後楽園ホール)

 日本スーパーバンタム級タイトルマッチで挑戦者の同級1位・池側純(27)=角海老宝石=が王者・石井渡士也(24)=RE:BOOT=を9回1分58秒TKOで下し、新王者に輝いた。戦績は池側が9勝(3KO)1敗3分け、石井が10勝(7KO)2敗2分け。

 アッパー一撃で逆転した。池側は3回以降、石井に右ショート、左ボディーなどクリーンヒットを重ねられ主導権を奪われた。8回終了時のジャッジの採点は、2~6ポイント差で劣勢だった。しかし9回、池側がロングの右アッパーでダウンを奪取。再開後、今度は左アッパーを振り抜いて再びダウン。瞬時にレフェリーが試合を止めた。

 「左アッパーで突き抜ける」をテーマに掲げ、阿部弘幸トレーナーと準備を積み上げてきた。「左アッパーで倒すことはずっと決めていた。判定までいくとは考えていなかった。左アッパーでいったれ、と思ったらジャストミートした。マジで狙っていました。持ってますね」と会心のKO劇を振り返り、「阿部さんとずっと練習していたことがハマった。

阿部さんのおかげ」と感謝の言葉を繰り返した。

 3度目の正直で雪辱を果たした。石井とは22年10月に8回戦で対戦し、引き分け。24年10月の日本同級挑戦者決定戦では、0―3の判定で敗れていた。1年3か月ぶりの再戦となった3度目の今回は、日本王座のベルトこそかかっていたものの「ベルトはおまけ。石井選手に勝てればいいと思っていた」という。それでも、控室でベルトを手にすると「目の前にするといいですよね。まさかリベンジでKOで勝てるとは」と破顔した。

 石井へのリベンジと、もう一つの夢もかなえた。昨年6月に第1子の長男・拳生(けんしょう)ちゃんが誕生。試合前日も「子供のためにも勝たないといけない。勝ってリング上げたいですね」と話していた。

 宣言通り、愛息をリング上で抱っこして勝利者インタビュー。「ガウンにも名前を入れた。写真も残るんで、リングに上げられて良かった」と目を細めた。

 この日のリングサイドには、日本同級10位の辰吉寿以輝(29)=大阪帝拳=が視察に訪れていた。石井が勝っていれば、5月に東京ドームで計画されている世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=と前WBC&IBF世界バンタム級統一王者・中谷潤人(28)=M・T=の対戦の前座で、辰吉が石井に挑戦するプランがあった。

 石井へのリベンジを果たした池側は、初防衛戦の相手に辰吉を“逆指名”した。「石井選手と辰吉選手がやるという噂を聞いていた。辰吉選手と東京ドームで、もしよかったらお願いします。ドームでできたら最高ですね。『辰吉選手にアピール』みたいな感じでお願いします」。東京ドームでの辰吉戦が、新王者の新たな夢となった。(勝田 成紀)

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