火災や震災から文化財を守ることを目的に定められた1月26日の「文化財防火デー」を前に14日、大阪・高槻市の慶瑞寺で消防訓練が実施された。訓練には、市消防本部の消防隊員、同寺関係者ら約10人が参加。

消火訓練や文化財の搬出訓練を通じて災害から貴重な文化財を守るための備えを確認した。

 文化財防火デーは、1949年1月26日に現存する世界最古の木造建造物である法隆寺(奈良県)の金堂が炎上し、壁画が焼損したことをきっかけに55年に制定。1年のうちで最も火災の起こりやすい1、2月に文化財の防火設備の点検・整備、消防訓練などを実施することで、貴重な文化財の保護につなげている。

 同市では、文化財を火災や震災などの災害から守るとともに、文化財愛護への関心を高めてもらうことを目的に、毎年消防本部と寺社関係者が協力して文化財消防訓練を行っており、今年も市内計6か所の寺社で実施された。この日、訓練が行われた慶瑞寺は、694(持統天皇8)年に、宇治橋架橋などで知られる僧・道昭が創建した寺院で、黄檗宗に属し観世音菩薩を本尊とする古刹。境内には、後水尾法皇の歯や仏舎利を納めた聖歯塔、龍溪の木像や遺品を納めた開山堂があり、寺宝として、後水尾法皇の勅書をはじめ、後光明天皇の綸旨(りんじ)や隠元・龍溪などの真筆が伝えられている。

 訓練は、消防隊員、同寺関係者ら約10人が参加し、自動火災報知設備のベル鳴動を合図に開始。本堂の祭壇からの出火を想定し、同寺関係者が119番通報を行った後、文化財の搬出訓練や消火器を使用した初期消火訓練が行われた。その後、通報を受けた消防隊員らが計2台の消防車で現場に到着し、放水による消火活動を実施した。訓練後、市消防本部による講評が行われ「日頃から初期対応や文化財の搬出手順を確認しておくことが、被害を最小限に抑えることにつながります。今日の訓練を今後に生かしていただきたい」と、貴重な文化財を後世へ引き継いでいくために同寺関係者へ火災予防を呼びかけていた。

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