◆U―23アジア杯▽準々決勝 日本1―1(PK4―2)ヨルダン(16日・サウジアラビア)

 U―23日本代表が、U―23(23歳以下)アジア杯の準々決勝でヨルダンと対戦し、延長を終えて1―1で突入したPK戦を4―2で制して、激闘の末に準決勝に進出した。

 運命のPK戦では、奇跡のキックが日本の勝利を後押しした。

先行の日本は1番手のDF市原がゴール正面に冷静に決めて成功し、ヨルダンの1人目のキックをGK荒木が完璧にセーブ。そうした状況で迎えた日本の2番手のキッカーは、後半終了間際にピッチに立った191センチの大型FW道脇豊(ベフェレン)だった。

 道脇が左に蹴ったキックはGKにセーブされたが、真上に上がったボールに回転がかかっており、相手GKが喜んで目を切っている間に、ゴールネットに吸い込まれる“奇跡のPK”が生まれた。

 その後、3番手MF佐藤もゴール右上に決め、4番手MF川合も冷静に決めて優位に立つと、最後はGK荒木がまたもセーブ。激闘を制して、4強進出を決めた。

 今大会欧州組で唯一の参加となった道脇は、強い思いを胸に今大会に臨んでいる。24年の夏に熊本から18歳で欧州に挑戦。しかし、現在はなかなか出場機会を得られない現状が続いている。昨年12月の国内大会に参加した時の取材では「絶対的な得点能力であったり、フィジカルの強い選手と戦える強さをまだ自分は持っていないと思うので、フィジカル面でも強化しないといけない」と課題を挙げていた。

 そうした状況下だったことで、今大会への出場をクラブに志願。「クラブとも話して、自分の方からここで試合に出られないなら、行って、試合勘を取り戻したい。ここで活躍してきっかけを作りたいとチームに相談して、チームが『今の試合に出られていない悔しさもあると思うから行ってきていいよ』と受け入れてもらいました」と話す。

 だからこそ、「正直、なかなか試合に絡めていなくて、自分的にも難しい中で選出されて、試合に来ているので、ここで結果を出すというつもりでやっていくしかない」と強い覚悟を胸に臨んでいる。今大会は初戦のシリア戦でPKを決めてゴールをマークしたが、4試合で1得点は満足する数字ではないだろう。ただ、執念が乗り移ったかのようなPKで新たな扉を開いた。「この年代で言うと、塩貝(健人)とか後藤(啓介)とかストライカーがたくさんいて、もう欧州で活躍してチームが出してくれないような選手だと思うので、そういった選手に負けないようにという気持ちがありつつ、自分は自分のペースで成長したい」と話していた大型FWに、大会連覇につながる大暴れを準決勝、決勝でも期待したい。

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