横綱・豊昇龍が気迫の相撲で1敗を守った。西前頭3枚目・伯乃富士との最初の一番で右の額から流血しながら、取り直しの一番を寄り倒しで制した。

平幕の阿炎が初黒星を喫し、横綱初優勝に向け、トップに並んだ。1敗は横綱・大の里、新大関・安青錦、関脇・霧島、平幕の欧勝海を加えた6人となった。

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 横綱が頭から落ちて流血するなんて、あまり見たことがない。それだけ必死だったということ。苦戦の原因は立ち合い。取り直し前は左からの張り差しを選択して失敗した。踏み込みが弱く左脇が開いてしまい伯乃富士に右を差された。右の小手からの掛け投げでなんとかしのいだが、危なかったと言わざるを得ない。

 取り直し後の立ち合いも踏み込みが浅く、当たりもそれほど強くなかった。右上手を取ったことが命綱。出し投げで振って左を差しての寄り倒し。伯乃富士が力を付けていることは認める。

しかし、豊昇龍も後半に向けて立ち合いを考え直す必要があるだろう。

 現役時代の私だったら、ヒヤリとした相撲で勝ちを拾うと「ヨッシャ」と心の中で小さくガッツポーズをしていた。横綱はどうなのだろう。15日間、完璧な相撲を取るのは難しい。“冷や汗”を前向きにとらえるしかない。(スポーツ報知評論家)

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