大相撲初場所8日目(18日・両国国技館)

 令和2度目の天覧相撲で西前頭3枚目・伯乃富士が横綱・大の里を押し出し、昭和以降3人目となる4場所連続の金星を獲得した。横綱・豊昇龍は東前頭4枚目・大栄翔にはたき込まれ、両横綱は2敗目を喫した。

新大関・安青錦、大関・琴桜にも土がつき、2横綱2大関が全て敗れる大波乱が起きた。天覧相撲で横綱、大関陣が全員負けたのは蔵前国技館で初めて実施された1955年夏場所以降初めて。出場した4人以上の上位陣全員に土が付くのは2024年夏場所初日以来となった。

×    ×    ×    ×

 伯乃富士は天覧相撲独特の雰囲気をかみ締めるように勝ち名乗りを受けた。天皇、皇后両陛下と愛子さまが見守った結びの大の里戦。「花道に入ってから(2階の貴賓席の)陛下の顔を見て、テレビで見ていた光景だと思った」と気持ちを高めた。立ち合いで鋭く当たって、左差しと右のはず押し。192センチ、188キロの横綱の懐に潜り込み、2秒4の電車道で押し出した。館内は大歓声。両陛下、愛子さまも拍手で22歳の気迫あるふれる相撲をたたえた。

 支度部屋では「昨日からずっとイメージしていて、その通りにいけた。体が小さいので、ああいう細かいところで勝負するしかない。

理想としてきた攻めができた」とうなずいた。これで2018年初場所の北勝富士以来となる昭和以降3人目の4場所連続金星。「うれしい」と喜びを語りつつ「また明日に集中したい」と気持ちを引き締めた。

 憧れの舞台で大仕事をやってのけた。入門時の師匠、前宮城野親方(元横綱・白鵬)は07年夏場所後の横綱昇進以降、天覧相撲で6戦全勝。「入門前から白鵬・横綱が天覧相撲で負けない姿を見ていた」。7日目取組後、天覧相撲の結びであることを知り「前日も結びだったので、もしかたらと思っていた。名誉な日に勝てたのはうれしい。陛下に見てもらえるのは光栄なことで、普通ではできないを経験させてもらった」と、充実した表情で話した。

 新三役を目指す22歳は横綱戦を終え、5勝3敗と白星を先行させて中日を折り返した。観戦の説明役を務めた八角理事長(元横綱・北勝海)によると、天皇、皇后両陛下は結びの立ち合いを見て「すごい当たりをしますね」と驚いていたという。「令和の怪物」と呼ばれるホープが、令和2度目の天覧相撲で挙げた殊勲の星で、さらに勢いに乗り始めた。

(大西 健太)

編集部おすすめ