令和2度目の天覧相撲で西前頭3枚目・伯乃富士が横綱・大の里を押し出し、昭和以降3人目となる4場所連続の金星を獲得した。横綱・豊昇龍は東前頭4枚目・大栄翔にはたき込まれ、両横綱は2敗目を喫した。

新大関・安青錦、大関・琴桜にも土がつき、2横綱2大関が全て敗れる大波乱が起きた。天覧相撲で横綱、大関陣が全員負けたのは蔵前国技館で初めて実施された1955年夏場所以降初めて。出場した4人以上の上位陣全員に土が付くのは2024年夏場所初日以来となった。

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 6年ぶりの天覧相撲に館内は独特の緊張感に包まれた。午後5時過ぎ。土俵周りで取組を控えた力士、審判行司ら協会員が正面を向いて整列し「ご入場」のアナウンスが流れた。天皇、皇后両陛下と愛子さまが入場。観客も総立ちで、大きな拍手が起こる中、2階の貴賓席に着席された。

 館内の空気は一気に張り詰め、幕内後半戦が始まった。藤ノ川と玉鷲の一番から結びまで12番。説明役を務めた日本相撲協会の八角理事長(元横綱・北勝海)は天皇陛下から土俵の四隅に立てられた四本柱(1952年秋場所から撤廃)がなくなった時期を尋ねられたことなどを明かし「相撲にお詳しい」と語った。

 打ち出し後は国技館内の会議室で両横綱の豊昇龍、大の里、両大関の琴桜、安青錦を交えて歓談した。

八角理事長によると、天皇陛下が4人に相撲を始めた時期を質問され、以前にモンゴルを訪問した際に幼少期の豊昇龍と対面した話題にも花が咲いたという。

 天覧相撲は新型コロナ禍や能登半島地震などの影響で20年初場所14日目以来、6年ぶりに実施された。令和では2度目。国技館は朝から入場時に手荷物検査が実施され、館内外に多数の警察官が配置されるなど、厳戒態勢が取られた。関係者に配られる大入り袋には赤文字で「行幸啓記念」と入った。(林 直史)

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