大相撲初場所8日目(18日・両国国技館)

 令和2度目の天覧相撲で西前頭3枚目・伯乃富士が横綱・大の里を押し出し、昭和以降3人目となる4場所連続の金星を獲得した。横綱・豊昇龍は東前頭4枚目・大栄翔にはたき込まれ、両横綱は2敗目を喫した。

新大関・安青錦、大関・琴桜にも土がつき、2横綱2大関が全て敗れる大波乱が起きた。天覧相撲で横綱、大関陣が全員負けたのは蔵前国技館で初めて実施された1955年夏場所以降初めて。出場した4人以上の上位陣全員に土が付くのは2024年夏場所初日以来となった。

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 力なく土俵を割った。大の里は上位陣3人が敗れて会場がざわめく中、結びの土俵に立った。真っすぐ伯乃富士に当たったが右はずで攻められ、体を起こされる。どこかを痛めたかのように顔をゆがめると、わずか2秒4で押し出され、2敗目を喫した。伯乃富士には昨年秋場所以来3個目、通算8個目の金星配給。土俵下で左肩を気にし、うずくまった。取組の内容、左肩の状態についても曇った表情で「また明日集中して頑張ります」と繰り返すだけ。天覧相撲の結びを白星で締めることはできなかった。

 9日目以降の出場に暗雲が立ち込めた。

先場所は13日目の安青錦戦の立ち合いで左肩を痛めた。千秋楽を左肩鎖関節脱臼の診断書を出して休場。12月の冬巡業も休み、部屋でリハビリに充てた。今場所は、先場所までの圧倒する相撲は影を潜めたが、7日目まで1敗と首位を並走していた。幕内後半戦の粂川審判長(元小結・琴稲妻)は「当たったとき(に痛めた)かな? まったく力が出てなかった」と、負傷の可能性を指摘した。

 取組の約1時間前、支度部屋で天皇、皇后両陛下と愛子さまが国技館内に入場されるテレビの映像を立ったままじっと見つめ、集中力を高めた。打ち出し後、天皇ご一家と歓談すると故郷の石川・津幡町の話題が上がった。両陛下が能登半島地震の被災者を慰問した際、「大の里が希望の星」と伝えられた話に、驚きの表情をみせたという。

 師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は左肩の状態や今後について「まだ話してない」と明言を避けた。さらに「左肩どうこうではなく相撲が取れていない。(伯乃富士に)苦手意識があるのかな」と首をかしげた。八角理事長は「横綱は痛いと言ってはダメ」と発破。

不安が募る黒星となった。(山田 豊)

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