元日向坂46の齊藤京子(28)が主演する映画「恋愛裁判」(深田晃司監督)が23日から公開される。同作では現役アイドルの恋愛が許されるかどうかが、裁判を通して描かれており、齊藤は「アイドルを経験した私が出ることで、物語にリアリティーや深みも出る」と出演を熱望したという。

劇中にはエゴサーチをするシーンもあるが「私もしていますし、映画のようなつらい経験をしたこともあります」とも。オーディションを受けていた時の苦労やグループの卒業を決めた時の心境、今後の活動なども聞いた。

 齊藤が演じるのは5人組アイドルグループ・ハッピー☆ファンファーレでセンターを務める山岡真衣。恋愛禁止のルールを破ったことで裁判にかけられ、恋愛を否定されたことに疑問を持って事務所と戦っていくというストーリーだ。

 「脚本を見た時、元アイドルの私がこの役を演じることで、物語に少しでもリアリティーや深みが出たらいいというのは感じました。山岡真衣は自分に似ているところがあって、私だったらアイドルの姿を完璧に全うできると思ってオーディションを受けました。マネジャーさんから『通ったよ』と言われた瞬間から、『この作品を少しでもより良いものにしたい』という思いで準備を始めました」

 アイドルが恋愛をするのは罪かどうか―。裁判の争点について、自身はどう考えているのだろうか…。

 「真衣を演じながら『自分だったらどうするかな』と思う箇所はいくつもありました。真衣は映画のような決断をしたけど(ハッピー☆ファンファーレの)菜々香や梨紗はそれぞれ(真衣とは)別の決断をしているし、どっちがいいというモノじゃないと思う。だからこそ、そうした題材の映画が作れているワケだし、皆さんがどう思うか感想が気になります」

 劇中にエゴサーチするシーンがあったが、自身はどうなのか…。

 「私もしていましたし、今もしています。

映画で真衣が書かれてたようなこともたくさんあって、ああいう(劇中のような)つらい感情になったこともあるし、実際に『アイドルはこういう瞬間ってあるよな』とは思います。表舞台に出るということは、たくさん素敵なコメントもいただく一方で、泣くような嫌なこともいわれます。それを分かった上で(この世界に)入っているので、ちょっとやそっとじゃへこまないのはあるんじゃないですか」

 小学生の時に女優の長澤まさみ(38)に憧れてオーディションを受け始め、高校卒業のタイミングで受けたのが、欅坂46のアンダーグループ・けやき坂46のオーディションだった。

 「中学時代から女優さんとアイドルのオーディションをたくさん受けて、高校からは歌手をメインにアイドルも受けつつという感じでした。“けやき”のオーディションは正直、自信がなかったです。私、アイドルのオーディションって絶対に2次審査で落ちるんですよ。AKB48さんは何回も受けましたが、必ず2次で落ちるの繰り返しでしたから。2次を通ったのがけやきが初めてでした」

 合格のため自身のポリシーも変えて審査に臨んだ。

 「私、前髪にはすごいこだわりがあって、当時は大好きな中村アンさんみたいな大人っぽい髪形にしていたんです。でも、アイドルって絶対に前髪があって『ここから先は本当にアイドルでいこう』と思って前髪をバッサリと切りました。審査では自分を出すのではなく、自分の中で描いている理想のアイドル像で振る舞いました。それが合格につながってうれしかったです」

 2016年にけやき坂46としてデビューし、17年に「それでも歩いてる」で初のセンターを務めた。

22年に「月と星が踊るMidnight」でセンターとして返り咲いたことで、気持ちが卒業へ傾いたそうだ。

 「『それでも歩いてる』は、欅坂46のシングル『風に吹かれても』に収録された曲で、けやき坂46の1期生しかいない中でのセンターでした。いつか自分たちの表題曲でセンターを経験したいという夢があって、その夢が『月と星が踊る―』でかないました。そのシングル活動期間が終わって、ちょっと落ち着いた時に『うわ~、やりきった』って。達成感とか諸々のタイミングを踏まえて卒業になりました」

 昨年は日本テレビ系「いきなり婚」を始め、3本のドラマに主演。役者・齊藤京子を印象付けたが、多方面での活躍も期待できそうだ。

 「歌手は絶対やりたいと思っています。私、今は役者をやらせていただいてますけど、『役者一本』といって卒業してるワケじゃないし、歌は今でも一番好きだから歌は歌っていきたいです。バラエティー番組も好きだし、ファッション誌もやりたい。いっぱいやりたいことがあるので、マルチに活躍できるタレントになりたいです」

 頭の回転が速いから何でも器用にこなせる。一方で自身の信じるモノや譲れないことに対してのこだわりは相当なもの。個人的にはソロ歌手の姿を見たい。

 (ペン・国分 敦)

 ◆飛躍の年に

 2026年の抱負を漢字一文字で表すと、齊藤は「飛」を挙げた。

 「飛ぶですかね。個人的に飛行機があんまり好きじゃなくて、アイドル時代も福岡に行く時は私だけ新幹線で行っていて、海外にも行きたくないみたいな感じでした。でも、昨年、カンヌや釜山映画祭に参加して、飛行機に乗る機会が増えて克服しましたし、海外でのお仕事は素晴らしいと実感できました」と説明。「2026年は『恋愛裁判』が公開され、『教場』シリーズ(「教場 Reunion」=Netflixで配信中、映画「教場 Requiem」=2月20日公開予定)にも出させていただいています。今までの努力が実を結ぶ年になったらいいなと思います。物理的に飛ぶっていうこともありますし、飛躍したいっていう意味も込めての“飛”です」と明かした。

 ◆齊藤 京子(さいとう・きょうこ)1997年9月5日、東京都出身。28歳。2016年に「けやき坂46メンバーオーディション」に合格し、同年「ひらがなけやき」でデビュー。19年に日向坂46に改名し、NHK紅白歌合戦にも出場。24年にグループを卒業。

23年に「泥濘の食卓」でドラマ初主演。その後、数多くのドラマや映画に出演した。好物はラーメン、かき氷。身長155センチ、血液型A。

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