卓球の全日本選手権は20日、東京体育館で開幕する。男子シングルスは張本智和(22)=トヨタ自動車=が王座奪還を目指す。

前回大会初優勝の新鋭・松島輝空(そら、18)=木下グループ=らと激しい優勝争いを繰り広げそうだ。

 成長著しい18歳の松島が、初の連覇に挑む。前回大会では準決勝で張本智和、決勝では篠塚大登の24年パリ五輪代表を次々に破って、大会3位の年少記録での初の日本一に立った。07年、08年の水谷隼以来、大会史上2人目の高校生連覇へ「どの試合でも自分がやるべきことをやれば、結果は後からついてくる。頑張りたい」と平常心で向かう。

 日本一のタイトルを胸に飛躍した。昨年10月のアジア選手権の団体戦準決勝で男子シングルス世界ランク1位の王楚欽(おう・そきん、中国)をフルゲームで破る金星を挙げ「中国選手に怖さを与えられ、五輪や世界卓球につながる一戦になったと思う」と手応えと自信を口にした。同年11月のWTTチャンピオンズ・フランクフルトも初優勝し、大きな成長を示した。

 同大会後にはシングルスの世界ランクも自身初の1ケタ、5位の張本智に次ぐ日本勢2番手の8位に浮上した。松島は「まだ満足できていない。安定感だったり、(世界のトップと比べて)足りない部分はあるし、そこの差を埋めていくことが必要」と貪欲に見据えた。28年ロサンゼルス五輪を目指し躍進を続ける18歳が、勢いを持って乗り込む。

 【戸上隼輔】 “炎のファイター”が3年ぶり3度目の頂点への返り咲きを狙う。前回大会では5回戦で谷垣佑真に敗れ、早々と姿を消した。「頭が真っ白だった」と悔しさを語る。昨年は篠塚と組んだ5月の世界卓球個人戦男子ダブルスで金メダルを獲得。同6月にはドイツ1部オクセンハウゼンのメンバーとして優勝するなど飛躍し「大きく成長できた」。故・アントニオ猪木さんを尊敬する主軸が進化を示す。

 【篠塚大登】 念願となる初制覇を目指す。23年、24年に4強入りし、前回大会では初の決勝に進んだが、新鋭の松島に1―4で敗れた。「技の精度で差を感じた」。昨夏からは世界の強豪が集うドイツ1部に初参戦し、腕を磨いてきた。同年の世界卓球個人戦男子ダブルスで戸上と組んで日本勢64年ぶりの制覇。「信じられない。

今までで一番重いメダル」と、世界王者の自信を胸に初タイトルに挑む。

 【男子シングルス展望】 前回大会で初制覇を果たした18歳の松島、2年ぶりの頂点返り咲きを狙う張本智、前回準優勝の篠塚、22年、23年連覇の戸上らを中心とした戦いが予想される。08年の水谷隼以来、史上2人目の高校生での連覇に挑む松島は、12年王者の吉村真晴らとゾーン1で争う。過去2度優勝の張本智は、15年2位の神巧也らと同じゾーン2。ゾーン3には昨年の世界卓球個人戦男子ダブルス金の戸上、前回4強の谷垣佑真ら実力者がひしめく。世界卓球個人戦で戸上と組んだ篠塚は、20年王者の宇田幸矢らとゾーン4で戦う。

 〇…ジュニア男子は昨年の世界ユース選手権19歳以下の男子単で優勝した川上流星が、優勝候補の筆頭だ。両ハンドが力強く、男子日本代表の岸川聖也監督(38)が「頭ひとつ抜けている」と太鼓判を押す。前回大会3位の岩井田駿斗、24年の世界ユース選手権19歳以下の代表・渡部民人、昨年の世界ユース選手権15歳以下代表で全国中学校大会を制した大野颯真らが、川上に対抗していく構図だ。

 〇…前回大会から分離開催されているダブルスの部は、29日から2月1日まで愛知・スカイホール豊田で行われる。男子、女子、混合ダブルスの3種目を実施。前回は同時期に世界ツアーのWTTシンガポールスマッシュがあり、トップ選手が不在だったが、今年は女子の張本美和が長崎美柚とのペアで、男子で昨年の世界卓球個人戦金メダルの篠塚大登が谷垣佑真と組んで出場するなどハイレベルな戦いが予想される。

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