歌舞伎俳優の中村鶴松(本名・清水大希)容疑者(30)が警視庁蔵前署に建造物損壊の疑いで18日に現行犯逮捕されていたことが19日、分かった。鶴松容疑者は、来月の歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」(1~26日)で幹部昇進し、初代中村舞鶴(まいづる)を襲名することが発表されているが、無期延期など影響が出ることは必至。

松竹は「対応を協議中」としている。

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 鶴松容疑者は勘三郎さんから、勘九郎、七之助に続く「3人目の息子」として薫陶を受けた。24年に歌舞伎座で主役を勤めるなど、部屋子としては異例の出世。中村屋のホープとして期待されていた。

 昨年1月、勘九郎に「幹部に昇進させてください」と直談判。松竹も熱意を認め、2月の初代中村舞鶴襲名披露の開催が発表された。その記者会見が13日に行われ、世襲が一般的な歌舞伎界に対して「血がない役者ということだけで、差別、区別されて悔しい思いを多々してきた」と不満を告白。一昨年、昨年と自主公演「鶴明会」で浅草公会堂を満員にしたことが自信となり、「勘九郎の兄も、血のない役者の苦しみは気づいてくれない」など言葉がヒートアップした。

 一般受験で早大文学部に進学した秀才。良く言えばウソをつけない正直な性格だが、部屋子ながら異例の出世は周囲のサポート、ファンの応援があってこそではないのか。配慮の足りなさに危うさを覚えた。

 たくさんの人々の期待を裏切った。

襲名披露の延期は必至だろう。心を入れ替え、ゼロから出直すしかない。(有野 博幸)

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