◆ノルディックスキー・ジャンプ W杯(20日、山形・アリオンテック蔵王シャンツェ)

 山形市のアリオンテック蔵王シャンツェで女子個人第19戦(ヒルサイズ=HS102メートル)が行われ、丸山希(27)=北野建設=が、101メートル、92・5メートルの合計222・5点で凱旋試合を制し、今季6勝目を挙げた。この日、全日本スキー連盟(SAJ)がミラノ・コルティナ五輪(2月6日開幕)代表52人を発表。

丸山は正式に初五輪代表となり、選出御礼Vとなった。金メダルの有力候補として地元から勢い増していく。高梨沙羅(29)=クラレ=は10位だった。21日も同会場で行われる。

 列島に大寒波が襲っても、ニューヒロインにはまったく関係ない。丸山は1回目に100メートルを超えるビッグジャンプでトップに立った。2回目も低い助走姿勢から加速していくと、力強く飛び出して、グンと勢いに乗り92・5メートルまで飛んだ。海外勢を退けての優勝が決まった瞬間、ガッツポーズで大歓声に応えてみせた。「今の、この状態で飛ぶことをすごく楽しみに帰ってきたので、日本シリーズ初戦で勝つことができて、すごくうれしい」と凱旋Vに満面の笑み。貫禄さえ漂わせ、昨年12月20日以来のW杯勝利で、今季のV回数を「6」に積み上げた。

 全日本スキー連盟が20日にミラノ五輪代表を発表し、丸山の初五輪が正式に決まった。ほぼ確実にしていたとはいえ、厳しい代表争いを終え、今大会前には「気持ちが楽になった」と話した通り、夏のサマーシリーズを3連覇した相性のいいジャンプ台で躍動した。

 大舞台での金メダルに向け、課題と向き合った。昨春、所属先の人事考課の目標シートに「総合点240点、飛型点54点」と書き込んだ。この日4位だったW杯個人総合2連覇中のプレブツ(スロベニア)に勝ち、五輪で頂点に立つための数字。大会ごとに会社に報告書を提出し、反省を繰り返し、技術に磨きをかけてきた。

 今季は足裏の重心の位置を探ったり、あえてスタートゲートを高くして、スピードを上げ、風をもらうことで飛距離を出した。遠くに飛んでいく感覚を養い、夢の実現のためのジャンプを繰り返した。

 初五輪は、雪辱を果たす場だ。22年北京五輪が控えた21年の全日本選手権。着地で転倒し、左膝前十字靱帯(じんたい)損傷などの大けがを負い、五輪出場を逃した。ゼロからのスタートになったものの、苦しいリハビリを乗り越えて、復活へとつなげた。「(五輪へ)弾みをつけられたらいいなと思うので、明日(21日)、札幌と自分のジャンプが出せるように頑張っていきたい」。夢舞台での輝くメダルへ、地元から加速していく。

(松末 守司)

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