スポーツ報知では連載企画「前進ルーキー11人」として巨人の新人全選手を紹介する。第3回はドラフト2位・田和廉投手(22)=早大=。

春季キャンプ1軍スタートが有力な最速152キロ右腕は、幼少期に甲子園で見た阪神戦がプロ野球の原体験。「伝統の一戦」への燃える思いを原動力に開幕1軍入りを目指す。

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 武器は宝刀シンカーとピンチでも動じない強心臓。けがの怖さも知る田和は、新人合同自主トレ期間から自分のペースを崩さない。熱い心の持ち主で「この声がなくなったら終わりだと思っている」。練習後はいつもファンサービスをしてから球場を出ている。

 苦難を乗り越え、憧れの扉を開いた。「野球をやる以上はプロを目指せ」。中学時の指導者の教えを胸に2年冬から周囲との差別化で腕の位置を下げた。変則投法の始まりだ。「サイド気味で150キロを放れればプロに行けるかもしれない」。努力を続け、早大2年春に自己最速152キロを計測。

しかし、リーグ戦デビューから4戦目で右肘じん帯を断裂。通称、トミー・ジョン手術を受けた。またマウンドに戻ってこられたのは夢への思いがブレなかったからだ。

 京都府出身。幼少期は阪神ファンの兄に付いていき、電車でよく甲子園球場に向かった。当時は1番・マートン、3番・鳥谷の全盛期。「メガホンを持って、ジェット風船をよくやってました」。中でも巨人との伝統の一戦の記憶は色濃く「捕手は阿部(慎之助)さんでしたね」とスタンドからの景色を鮮明に覚えている。

 大学で早慶戦を経験した。「OBの方から言われることも多かったし『打倒・慶応』という雰囲気でやっていた。伝統の一戦ではないですけど、優勝がかかっていない時でも『慶応だけには絶対負けるな』と言われてきた。そういう意味では似ているかなと」。

ステージこそ変わったが、新人の中では誰より、伝統の戦いの重みを理解している。

 入団まもない昨年11月に長野久義氏の引退セレモニーを見た。「セレモニーをしていただける選手になりたい。ファンの方に愛され、なおかつ実績も伴う。長く野球をしている選手しかできないことだと思うので、自分も皆さんに惜しまれながらやめられる選手になりたい」。チームは昨季、阪神に8勝17敗と負け越してV逸。その事実はインプット済みだ。開幕カード、東京Dで宿敵を迎え撃つルーキーイヤー。縦じまのユニホーム相手に好投するイメージはできている。(堀内 啓太)

 ◆田和 廉(たわ・れん)2003年5月2日、京都府生まれ。22歳。伏見板橋小2年時に伏見桃山クラブで野球を始め、伏見中時代は京都ベアーズに所属。

早実では1年夏からベンチ入りも甲子園出場なし。早大2年春にリーグ戦デビューし、通算29登板で2勝1敗、防御率2・08。183センチ、87キロ。右投右打。推定年俸1200万円。背番号30。

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