大相撲初場所12日目(22日、東京・両国国技館)

 新大関・安青錦が2敗対決で西前頭4枚目・熱海富士を寄り切り、単独トップに立った。双葉山(1936年夏、37年春)以来89年ぶり2人目となる新関脇、新大関の2場所連続Vの快挙へ前進した。

西前頭12枚目・阿炎は大関・琴桜につり出されて3敗に後退。関脇・霧島は横綱・豊昇龍との3敗対決を制した。安青錦を1差で追うのは霧島、平幕の熱海富士、阿炎、獅司、朝乃山、欧勝海の6人となった。

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 最初から最後まで安青錦のペース。完勝だった。熱海富士の右かち上げの下に、頭から当たって左押っ付けから左を差して右を入れた。振りほどかれても突き落としにも崩れず、しっかりまわしを取った後は引き付けて寄り切った。抜群の安定感。大事な一番で自分の相撲を取り切ることができるのが安青錦の強みだ。

 気持ちがぶれない。戦禍のウクライナから力士になりたくて来日。必死の努力で番付を上げ、横綱という目標だけにベクトルを合わせている。

よほど気持ちが強いのだろう。常識的には番付上位の安青錦が新大関Vの可能性が高いが、あと3日は歌手・松山千春の名曲でもある“長い夜”なのだ。何が起こるかわからない。

 3敗の中では朝乃山の存在が気になる。力強い相撲は上位と対戦しても遜色はない。経験もある。もつれる展開になると、浮上してくると思っている。(スポーツ報知評論家)

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