大相撲初場所12日目(22日、東京・両国国技館)

 新大関・安青錦が2敗対決で西前頭4枚目・熱海富士を寄り切り、単独トップに立った。双葉山(1936年夏、37年春)以来89年ぶり2人目となる新関脇、新大関の2場所連続Vの快挙へ前進した。

西前頭12枚目・阿炎は大関・琴桜につり出されて3敗に後退。関脇・霧島は横綱・豊昇龍との3敗対決を制した。安青錦を1差で追うのは霧島、平幕の熱海富士、阿炎、獅司、朝乃山、欧勝海の6人となった。

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 乱れた大銀杏(おおいちょう)姿の安青錦が、息を切らしながら懸賞の束を受け取った。優勝争いでトップの2敗で並んでいた熱海富士との大一番。立ち合いで相手を突き起こして左差し、頭を密着させて前進した。相手に左まわしを切られても、再び突き起こして、左右をのぞかせて冷静に寄り切った。支度部屋では「上体を起こさずに先に攻められたことが良かった」と振り返った。10勝目を挙げ、既に最長とする新入幕からの連続2ケタ勝利記録を6場所に更新。もう一人の2敗だった阿炎も敗れ、単独首位となったが「あまり気にしていない。今まで通り自分らしい相撲を取れれば」と冷静沈着だった。

 この日、これまで使用していた青色の締め込みから黒色のものに変更した。

師匠の安治川親方(元関脇・安美錦)が現役時代に締めていたもので、4日ほど前に譲り受けたという。「つけたいと思っていた。つけないともったいない」。好調な力士では異例の本場所中の締め込み変更にも「そこまで大きくなかった。ちょうどいい」とマイペースを貫く。報道陣から黒の締め込み姿が似合うと声をかけられると、「ありがとうございます。親方にも同じことを言われました」と笑顔を浮かべた。

 スピード出世を続ける21歳に、20年ぶりの快挙が射程に入った。八角理事長(元横綱・北勝海)は「厳しい相撲を取った。(勝ち越しも)通過点。先場所も優勝決定戦を勝っているからその経験は大きい」と、連覇への期待を口にした。新大関の優勝は06年夏場所の白鵬が最後で昭和以降6人しかいない。

さらに新関脇、新大関の2場所連続優勝なら双葉山以来、89年ぶりだ。賜杯争いについては「特にない。自分のやることは変わらないので」と泰然自若。青い瞳の新大関が、ついに新春の土俵の主役に躍り出た。(大西 健太)

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