◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 大相撲初場所の中日、天皇陛下国技館行幸(天覧相撲)が行われた。新型コロナの影響もあって令和では2度目、2020年初場所14日目以来、6年ぶりの開催となった。

国技館の入場時には手荷物検査が実施され、館内外には多数の警察官が配置。館内のレイアウトも一部が変更され、今まで感じたことのない独特の雰囲気が流れていた。

 天皇、皇后両陛下と愛子さまが国技館内に入場されると、支度部屋でも多くの力士がテレビの映像を見つめた。結びで横綱・大の里(二所ノ関)を破って金星を獲得した伯乃富士(伊勢ケ浜)は「花道に入ってから(2階の貴賓席の)陛下の顔を見た時は、テレビで見ていた光景だと思った」。常に平常心で目の前の一番に集中する力士たちにとっても、この日ばかりは特別な意識が芽生えていたのかもしれない。

 過去の天覧相撲について調べてみると、近年は行われていないものの、土俵入りは土俵を丸く並ぶ略式でなく「御前掛(ごぜんがかり)」と呼ばれる本式。普段の結びの一番では立行司が「この相撲一番にて本日の打止」と言うが、天覧相撲ではより丁寧な言葉を使い「この相撲一番にて結び」と言う特別な表現となる。観戦を終えた陛下らが退場される際には観客総立ちで、大きな拍手が起こった。その光景を目の当たりし、歴史的な瞬間に立ち会ったのだと改めて感じた。(大相撲担当・大西 健太)

 ◆大西 健太(おおにし・けんた)21年入社。レイアウト担当を経て24年から現職。

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