大相撲初場所で2場所連続優勝を果たした大関・安青錦(21)=安治川=が26日、東京・江東区内で一夜明け会見を行った。看板力士の重圧を乗り越えて、2006年夏場所の白鵬(元横綱)以来、20年ぶりとなる新大関V。

春場所(3月8日初日・エディオンアリーナ大阪)では、年6場所制となった1958年以降に初土俵を踏んだ力士(付け出しを除く)では最速となる所要16場所での綱取りに挑戦。ウクライナから来日し、角界入りを目指して身を寄せた関西の地で、夢の最高位をつかむ。

 落ち着きはらった安青錦の表情からは、看板力士の風格が漂っていた。規律正しい21歳の大関は、会見開始時刻の15分前に会場へ到着。準備が整ったため、予定より10分早く会見が始まった。新大関の重圧を乗り越えて、2度目の賜杯を手にし、「やっとゆっくりできるなという感じ。立場としても大関の場所だったので、いつもより長く感じた」と胸をなでおろした。

 「相撲の神様」と同じ道を歩もうとしている。新関脇と新大関の2場所連続優勝は双葉山以来、89年ぶりの快挙だ。それでも「比べものにはならない。少しでも近づけるようにやっていきたい」と謙虚に話した。双葉山のことを知っているかを問われると「もちろん」と力強く回答。

来日後に、その功績を自身で調べたといい「大先輩なので、自分からどうかとかは言えないが、でもとても強かった」と流暢な日本語で語った。双葉山は大関2場所目でも優勝し、場所後に横綱昇進。来場所は綱取り挑む21歳が、大横綱と同じ軌跡をたどり始めた。

 前傾姿勢を崩さない取り口で新入幕から6場所連続で11勝以上を記録。安定感は群を抜き、早くも最高位に挑む。年明け時点では、横綱昇進について「目標なので今年とかはない。来年でも、いつかなれるように」と話していた。新大関優勝を果たし、いきなり巡ってきた好機に「早い遅いとかは関係ないと思うのでチャンスがあったら、できるだけ早くつかまえたいという気持ちが強い」と綱への意欲を口にした。

 綱取りに挑む春場所の舞台は大阪。関西は22年4月に来日してから入門まで生活をしてきた場所で、昨年同場所で新入幕を果たすなど縁の深い土地だ。入門前に稽古を重ねてきた関大の校友会がイス100席を確保し、同場所の11日目に団体で観戦予定。“日本のふるさと”からの声援を力に、初の綱取りを成功させる。

(大西 健太)

 ◆横綱・双葉山のスピード昇進 新関脇だった1936年5月場所、新大関だった37年1月場所を制覇。同年5月場所も制し、場所後に横綱に昇進を決め、大関を2場所で通過した。新横綱場所からも優勝を重ね、新関脇から横綱2場所目まで5連覇。いずれも全勝で、不滅の69連勝につながった。

 ◆安青錦に聞く

 ―20年ぶりの新大関優勝について。

 「そこまで考えていなかったが、やっぱり自分が20年ぶりにできて、光栄に思っている」

 ―千秋楽の君が代はいつ覚えたのか。

 「YouTubeなどで少し練習した。まだ完璧でないと思うので、もう少しきれいに歌えるように頑張りたい」

 ―食べたいもの。

 「場所中はあまり食事にでかけていないし、ジャンクフードや揚げ物を食べていないので、少し体に良くないものを食べたい」

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