「サード」「絵の中のぼくの村」などの作品で知られる映画監督の東陽一(ひがし・よういち)さんが21日午前1時52分、老衰のため都内の病院で死去した。91歳だった。

葬儀は近親者で執り行った。喪主は妻の律子(りつこ)さん。後日、お別れの会を開く予定。

 東さんは1934年、和歌山県出身。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所に入社。助監督として経験を積んだ後、フリーに転身し、71年に「やさしいにっぽん人」で劇映画監督としてデビューした。同作で日本映画監督協会新人賞。低予算ながら特色ある映画を製作した日本アート・シアター・ギルド(ATG)の代表的作品「サード」(78年)で報知映画賞作品賞、芸術選奨文部大臣新人賞、キネマ旬報監督賞などを受賞した。その後も、桃井かおり主演の「もう頬づえはつかない」(79年)、黒木瞳主演の「化身」(86年)などの話題作で注目を集めた。

 「橋のない川」では観客動員200万人を超えるヒットを記録し、報知映画賞監督賞に輝いた。海外の映画賞でも高い評価を受け、96年の「絵の中のぼくの村」ではベルリン国際映画祭銀熊賞、2003年の「わたしのグランパ」ではモントリオール世界映画祭・最優秀アジア映画賞ほかを受賞。99年に紫綬褒章、07年に旭日小綬章を受章した。

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