東京映画記者会(スポーツ報知など在京スポーツ紙7社で構成)が選ぶ「第68回(2025年度)ブルーリボン賞」の主演男優賞に27日、「宝島」(大友啓史監督)の妻夫木聡(45)が輝いた。第53回(2010年度)以来、15年ぶり2度目となる。

 「宝島」は、米国統治下時代沖縄を舞台に、戦争に翻弄(ほんろう)された人々を描いた3時間超の大作。妻夫木は実在した窃盗団「戦果アギヤー」の一員で、後に刑事になる主人公を熱演した。

 撮影はコロナ禍により2度延期。予算的にも「本当に綱渡り。監督と心中する気持ちでした」という状況を乗り越えての完成だった。

 「確実に僕たちが知ってなきゃいけないことがある。少しでも関心を持ってくれたら、何か世の中が変わっていく最初の一歩になる。『宝島』はそういう作品になれている気がする。希望への橋渡し的な存在になっていると思った。自分の存在を投げ捨ててまで背負わなきゃいけない」。いち出演者としの枠を超えて宣伝活動にも奔走した。約1万5000キロを駆け、81の劇場で舞台あいさつし、464人の劇場スタッフと写真撮影。

宣伝用に用意した名刺を配った人数は5386人にも及んだ。「映画の存在を超えて関われた」作品となった。

 2016年に女優のマイコ(40)と結婚し、私生活では2児の父でもある妻夫木。自身の「宝」を聞かれると「いや、もう、家族でしょ」と即答した。「子供ができて生き方が変わった。そんなこと言ったら妻に申し訳ないんですけど。それまではいつ死んでもいい、この作品が遺作になってもいいという思いで毎回作品に取り組んでいたけど、子供ができたら、やっぱり死ねないなって思うようになっちゃいましたね」と笑顔を見せた。

 続けて「子供とずっと生きていきたいなと。この子が大人になった時にどう思うかとか、それは自分自身に関わってくる。子供が笑顔でいられるようにどう自分があるべきか、考えるようにはなりました」と父親の顔をのぞかせていた。

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