◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 将棋のユニバーサル杯第52期女流名人戦五番勝負(主催・報知新聞社など)が18日に島根・出雲市で開幕した。終盤での鋭い攻めから“出雲のイナズマ”の異名を持つ福間香奈女流名人の故郷。

同地での対局は、福間が18歳の時、女流名人初防衛戦となった2011年(第37期)に始まり、16期連続。福間は今期もタイトル保持者として出場した。

 前夜祭、大盤解説会には多くの地元の関係者、ファンが駆けつける。その1人、父の里見彰さんは「年に1回、(娘が)帰ってくるのを心待ちにしている」。女流棋士、1児の母として多忙な福間は頻繁に帰省できず、毎年、出雲での対局前後に実家に寄るのが恒例。「生まれ育ったふるさとで対局ができるということは勝敗のみならず、1年間のモチベーションになってくる」と地元対局の喜びを感じている。

 挑戦者の西山朋佳女流二冠=白玲、女流王将=は大阪出身。女流名人戦は4期連続の出場で、当然、出雲にもそのたびに訪れている。福間の地元だけに、やりづらさもあるだろうと思っていたが、西山は「前期くらいから『おかえりなさい』って言ってくださる方も前夜祭でいて、すごく温かく接してくださっているなと感じる」と心からの感謝の言葉を口にしていた。

 昨年に続き出雲で取材をした私の肌感覚でも、西山に対する声かけや拍手は明らかに増えた。好勝負を繰り広げる女流のツートップの対局自体を楽しみにしている人も多いのだろう。出雲大社や駅伝で有名な街だが、女流名人戦も名物になるよう、一生懸命取材して報じたい。

(芸能担当・中西 珠友)

 ◆中西 珠友(なかにし みゆ)2024年入社。将棋を担当して1年。

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