第98回センバツ高校野球大会(3月19日開幕・甲子園)の出場校を決める選考委員会が30日、大阪市内で行われ、全32校が決まった。北海道地区は、昨年の秋季全道大会で優勝した北照が13年ぶり6度目の出場を決めた。

過去最高の8強超えを目指し、聖地に乗り込む。

 雪深い小樽に、選手たちの歓喜の声が響いた。予定時間からやや遅れて届いた“春の便り”。13年ぶり6度目のセンバツ出場が決まり、上林弘樹監督(46)は「待ちに待ったというか、まずはスタートラインに立ちたかったので、うれしい気持ちでいっぱいです」と笑顔を見せた。

 甲子園には新たなスタイルで臨む。昨年11月の明治神宮大会では、初戦となった2回戦で英明(香川)に1―2と惜敗。相手を上回る12安打を放ちながら、わずか1得点に終わった。上林監督は「あの試合から、この冬、頑張ってきている。走って走って、機動力を使って点に結びつけたい。練習したことが出せるように」と方向性を示した。

 “北の機動破壊”だ。神宮大会後、かつて健大高崎(群馬)でアドバイザーを務めた“機動破壊”の生みの親・葛原美峰(よしたか)氏(69)を招き、指導を受けた。

上林監督は「神宮の12本打って1点というのは正直こたえた。このままじゃダメだなと思ったんで、その課題をしっかりつぶせる冬にしたいと思った」と説明。以前から親交のあった葛原氏に助けを求めた。「機動破壊」は走塁を駆使して相手チームを脅かし、得点を奪うという、同校の代名詞で2024年にはセンバツ初優勝を飾った。2日間でその極意を伝授され、例年ならウェートトレ中心となる時期に、室内練習場での走塁練習を徹底してきた。

 実際に指導を受けた手代森煌斗(きらと)主将(2年)は「攻めてますね。実際やってみて肌で感じて、攻める走塁だなと」。屋内でも可能なリード幅やスタート練習に加え、相手の投球がワンバウンドした瞬間にスタートを切るなど、意識改革が進んでいる。二塁からホームなど、ベースランニングのタイムも平均で0・1秒速くなるなど、成果も出てきた。指揮官は「葛原さんから『北の機動破壊って使っていいぞ』って言われるんですけど、『北』いりますか?っていつもなるんですけど」と苦笑い。本家から同フレーズの使用許可も出ている。

 昨秋の公式戦は8試合で5盗塁。

全道大会を全4試合完投したエース島田爽介(2年)と、最速149キロを誇る中谷嘉希(2年)の両右腕を中心とした投手力と堅守で、北海道の頂点に立った。過去5度のセンバツ出場で最高成績は10年、13年のベスト8。手代森主将は「ベスト4という目標を掲げて、歴代の先輩方の記録を上回りたい。甲子園では走って走って、走りたい」。安定したディフェンスに機動力という新たな武器を加え、聖地に北照旋風を巻き起こす。(山口 泰史)

 ◇北照(小樽市) 1901年創立の私立校。生徒数177人。野球部は08年創部で部員数は47人(1、2年生)。91年夏に甲子園初出場を果たし、2000年センバツで初勝利。10、13年のセンバツでは8強入りした。現役プロ野球選手では、中日・斎藤綱記投手、高橋幸佑投手がOB。他競技でも、五輪金メダリストの船木和喜(スキージャンプ)、五輪4大会出場の皆川賢太郎(アルペンスキー)らを輩出した。

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