歌舞伎俳優の中村勘九郎が1日、初日を迎えた歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」(26日千秋楽)昼の部「積恋雪関扉」に8代目尾上菊五郎、中村七之助らと出演した。

 大ヒット映画「国宝」にも登場した人気演目。

勘九郎が関守関兵衛実は大伴黒主、七之助が小野小町姫/傾城墨染実は小町桜の精を演じた。物語の前半では大振りの袖を振りながら舞う勘九郎演じる関兵衛と、曲調緩やかに舞う七之助の踊りの掛け合いが注目された。

 関兵衛は義太夫の歌に合わせ、愉快に踊りひょうきんな様子。夜も更け、ひとり酒を飲む関兵衛は、大盃に映る星影から「謀叛成就の相」を読み取る。護摩木にするために桜の古木を伐ろうとしたところ、大木の幹から傾城墨染(七之助)が妖しげに登場。実は彼女の正体は、夫の仇を狙う傾城墨染実は小町桜の精(七之助)。さらに関兵衛の正体は大伴黒主(勘九郎)だった。

 華やいだ踊りから、衣装を一変させる「ぶっ返り」に観客は目を見張る。本性をあらわした2人の豪快な立ち回りは、斧と桜の枝を振り、迫力のある舞いで場内を圧倒。「中村屋!」の大向うが響き、盛大な拍手が送られた。

 勘九郎は「関兵衛は(中村)吉右衛門のおじ様に習うことができた財産のお役。おじ様の言葉を思い出しながら勤めたい。

七之助と、共演の8代目(尾上)菊五郎さんといいものにしたいです」。七之助は「『積恋雪関扉』は大曲で、歌舞伎俳優にとってはとても重く、そして演じたい演目の一つです。舞踊の素晴らしい要素がたくさん入っている、大好きな踊りを、猿若祭で兄と踊ることができてうれしいです」と話している。

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