2011年3月11日に発生した東日本大震災から今年で丸15年となる。「公益社団法人3.11メモリアルネットワーク」では、震災学習プログラムの提供や震災伝承施設の運営に取り組む団体・施設の協力を得て、17年以降、毎年「東日本大震災伝承活動調査」を実施。

このほど岩手・宮城・福島における25年12月までの伝承活動への来訪数調査を実施し、このほど集計結果を報告した。

 25年の震災学習プログラムや伝承施設への来訪者数は伝承団体(3県32)で17万2433人、伝承施設(3県41)で150万883人と前年比微減にとどまったものの2年連続で全体数が減少した。

 震災学習プログラム実施団体の高校生以下の割合は震災伝承施設よりも高かったが、コロナ禍で東北への修学旅行が多くなった後、少しずつ減少してきた。その要因は「来館者の属性の変化(修学旅行、外国人など)」を選択した団体・施設があったものの、全体としては微減・横這いで高校生以下の来訪傾向について前年比での大きな変化は見られなかったという。

 同ネットワークは「2025年は微減にとどまったものの、発災15年を機になくなってしまう財源もあり、この先15年、30年と継続し、今後の災害から命を守る東日本大震災の伝承活動全体の在り方を真摯に向き合う必要性が示唆されます」と風化への危機感を抱いている。

 一方で「震災学習プログラム実施団体、震災伝承施設の双方ともに、東北3県への来訪数は2年連続で減少してしまいましたが、様々な工夫により来訪数増加という成果につながっていると取り組みが見受けられます。震災学習実施プログラム実施団体からの『SDGs教育や首都直下地震に対応』、『参加者からの評価』、『同じ学校からの申し込みが多い』など自由回答から示唆されるように、自組織における『質の向上』に向けた取り組みが、来訪数増加の増加につながっていることが確認されます」と質の向上も強調。「震災学習プログラム実施団体、震災伝承施設のどちらも、『市内9つの団体との連携で受け入れ』、『伝承館や県からの依頼』、『各種スタンプラリー』、『東北全域での発信』、『ゲートウェイ機能』などの自由回答において『協働や紹介の効果』に言及しており、自団体・自施設にとどまらない協働・連携が、東北被災地への来訪を促していることが示唆されます。南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝地震などの巨大災害が待ち受ける日本社会において、本震災伝承調査が、東日本大震災の伝承活動継続や、次の災害から命を守る取り組みが少しでも進展するよう、社会発信にご協力いただければ幸いです」としている。

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