フィギュアスケート女子で3大会連続五輪出場の坂本花織(25)=シスメックス=が2日、ミラノ・アイススケートアリーナで公式練習に臨んだ。初めて本番会場で行った練習は、偶然にも1人だけでリンクを独占。

「なんて贅沢(ぜいたく)」と上々の滑り出しを見せた。6日に団体戦から開幕するフィギュアスケート。女子のショートプログラム(SP)、フリーでともに出場の可能性があり、フル回転の4演技も視野に入れた坂本の最後の五輪が始まる。

 本番リンクの空気を、坂本が独り占めにした。ミラノ入り後、初めての公式練習。練習グループの中で、自身だけが参加した。現地時間の8時15分にリンクイン。黒い練習着姿で最初は周回しながら、客席や記者席に視線と笑顔を向けた。「五輪会場1人で滑れるなんて、なんて贅沢なんだと思いながら。あっという間の35分間でした」。最後の五輪の舞台を、順調に滑り出した。

 じっくりと氷の感触を確かめた。

現地ボランティア数人もリンクサイドで熱視線を送る中、まずはダブルアクセル(2回転半ジャンプ)を滑らかに着氷。3回転ジャンプを数本飛ぶと、開始から15分後にフリー「愛の讃歌」をかけた。曲をかけての練習では後半にジャンプのミスが出たが「体の調子が悪いわけでもなく、調整していけばいけるかな」。初の公式練習でしっかりと収穫と課題を得た。

 昨年6月に今季限りでの現役引退を表明。日本女子で史上初の3大会連続出場となったミラノ五輪は、集大成の場となる。掲げてきた目標は「団体、個人ともに銀メダル以上」。6日から始まる団体戦では、過去2大会で出場してきたフリーに加えてSPも出る可能性もある。銀メダルだった22年北京五輪から2大会連続、そして史上初の優勝に挑む今大会。坂本は「どのメンツが出るにしろ精いっぱい滑り切ると思うので。そこから、いい波が作っていけたら」と気合十分だ。

 29日に現地入り後は、ミラノ郊外の合宿地点、ヴァレーゼで調整。

1日3時間ほど滑り、男子の鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)、佐藤駿(エームサービス・明大)らがミスのない練習をすれば、中野園子コーチ(73)から「あなたも頑張りなさい!」とゲキが飛んだ。「モチベーションが上がるメンツと一緒に練習ができたので、すごくいい調整ができた」。着々と準備を進めている。 

 団体2種目と個人の出場となれば、19日の女子フリーまで最大4演技。タフな日程を乗り切り、2冠に挑む。「選手の間に経験できるのは、これが本当にラストなので。やるべきことはやって、自分のスケートができるように楽しめたら」。ラストダンスまで、一気に駆け抜ける。(大谷 翔太)

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